『面白そうだからやってみる!』のもつパワフルなチカラ
なんだか面白そうだからやってみる、っていうことは、とてつもないチカラを持っているような気がする。
いい歳の大人になると、面白そうだからやってみる、なんてことはほとんどなくなってしまう。
それが余暇の時間の話ではなく、仕事そのもののことだとしたら、なおさらのことだ。
もちろん、ネットの世界では、そういうことはよく起きている。
とにかく、面白いものをつくる。それが大人気になって、やがてお金も回ってくる。どちらかといえば、ネットのサービスでは、そちらの方が主流になっているかもしれない。
でも、現実の世界で、それをやってしまうのは、とてつもない精神力、楽観、好奇心、持続力が必要だ。
じつは、僕はそんな例を目の当たりにしているのだ。
偶然が重なって知り合った足達さんとコオロギさんは、大分の森の中にアトリエをつくっている。
その経緯はこの記事に書いた。
偶然か必然か? FB友達とはてなブログ友達の奇跡の出会い! - ICHIROYAのブログ
それは2012年の10月のことで、彼らがアトリエの製作をはじめて半年ぐらいの時であった。
あれから、ちょうど2年。
FBなどで彼らの活動をずっと注目させていただいてきた。
大分のやさしい雰囲気をもつ森の中に、さまざまなオブジェをつくったり、かわったデザインの小屋を建てたり、アースバックハウスを建てたりと、アトリエはどんどん充実し、この10月にはプレオープンされたようだ。
森の中に突如現れた不思議な空間は話題になり、毎日のようにゲストが訪れている。
おふたりの活動の経緯や現在は、下部にリンクをまとめたのでそちらを参照いただきたい。
さて、おふたりは、もちろん遊びでアトリエを作っておられるわけではない。この2年半、フルタイムの仕事としてこの活動をおこなっておられる。
潤沢な資金があるわけではなく、もともと、足達さんの手持ち資金250万円で、500坪の森の土地を買ってスタートされているのだ。
2年前、おふたりにお会いした時、面白い活動だなと思ったのだが、もちろん、平凡な商売人の僕としては、どうやって儲けるのかな、ということが一番心配だった。
おふたりが作っているのは、あくまで『アトリエ』であって、賃貸しのギャラリーでも、子供向けの公園でも、新しいスタイルのお店でもないのである。
どうやって利益を得るのか、想像できなかった。
そして、それはどうやら、足達さんのアタマのなかでも明確にはなっていないように思えた。
だから、アースバックハウスをつくっていると聞けば、アメリカで本格的に学んできて、日本でアースバックハウス製作のノウハウを教えたら儲かるかもしれないなと思ったり、あるいは、結婚式場としての問い合わせがあると聞いたら、コオロギさんの製作の引き出物の販売とセットにしたら、かなりまとまった金額の商売になるかもしれないなと思ったり。
ついつい、「しょうばいっけ」のあるアドバイスがしたくてたまらなくなるのだった。
しかし、もちろん、おふたりは外野のそんな心配に揺らぐことなく、まっすぐにアトリエを、アートそのものと、アートをつくるための環境をつくり続けてきてこられたのだ。
だからこそ、それが評判を呼び、多くのひとが訪れるようになってきたのだ。
現在では、彼らの活動を知った人たちから、オブジェなどの制作依頼もはいっており、また、将来、彼らのアトリエが核となって、カフェやギャラリーなどが集まるちょっとした観光スポットになるかもしれない。見えてきたものは、僕が想像したものより、ずっとスケールが大きいのである。そして、そうなれば当然、アトリエの収益もさまざまな方法が可能になるだろう。
道の途中で、「しょうばいっけ」に迷うようなことがあれば、ここまで来れなかったのではないかと思う。
「しょうばいっけ」にひっぱられて進路を何度か変えると、「商売」としては成立するかもしれないけど、きっと、小さな商売に、本来つくりたかったものとは違う着地点に到着してしまうに違いない。
「しょうばいっけ」に惑わされず、あくまでおふたりが面白いと思う着地点を目指し続けていることが、大きなスケールの成功を生みはじめている理由だと思う。
面白そうだからやってみる!
全身全霊で、すべてを賭けてやってみる。
どれほど儲かるかわからないけど、とにかく、面白そうだからやり続けてみる。
そして、苦しくても、途中で、そもそもの目的を忘れない。
きっと、それがひとびとを楽しませるための、感動させるための、最高の動機と道筋なのに違いない。
ご縁がありますように。五円テーブル!と足達さん
コオロギさん製作風景。
おふたりが建てられたアースバックハウス。土のうを積み上げてつくった家。
森の中にこんなビレッジをつくりたいそうだ。50坪75万円から。仲間を募集中。
アトリエ竜(りゅう)の通り道 WEBサイト
コオロギタカシさんのプロフィール ブログ:不思議な話(ニーマンのピク詰め)復刻版
*森を訪れるときは、こちらの制作スケジュールを確認のうえ、そのページに記載されているメールアドレスに連絡されてからどうぞ。