ICHIROYAのブログ

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もっとも安く、簡単で、頑丈で、地球に優しい家を、自分で、建てる方法!(アースバッグハウス)


by Bomun

by Jan Tik

 

知人の高江さんは、ログハウスの家を自分で建ててしまった。
ログハウスの家を建てるためには、太い木材を組み上げねばならず、いくら熊のような体格の高江さんといえど、大勢の援軍が必要だったと想像がつく。

しかし、今、まったく新しい、「アースバッグ」工法による家が生まれつつある。
簡単に言うと、「土のう」を積み上げる家である。
土のうの間に、鉄条網を敷き、滑り止めにして積み上げていく。
天井はアーチ状にして、土のうの表面には漆喰やセメントを塗って仕上げる。
それだけである。

柱も梁も不要で、地震にも強いことが立証されている。
ログハウスのように太い木材を天井に上げるなどという必要はなく、女子どもでも運べる土のうを積み上げるだけである。

建築基準法により、10㎡(円形にすると直径3.6m弱)を超えると、基礎をつくる必要があるが、それ以下だと、数人で簡単にできてしまう。

ほんとうなのだ。

この工法の家は、ナダー・カリリ氏が中東の伝統的な建築物をヒントに考案したもので、紛争や災害で被災した人たちが、自分たちで簡単につくることができる家として、あるいは、月や火星に現地の材料でつくる基地の建築方法を念頭に置いて、生み出されたものなのである。
そもそも、土のうも、鉄条網も、戦争で使うものである。
紛争地のそばでも簡単に入手できる。
それに、土を詰めるだけで、家にしてしまえるのだから、その工法に国連が注目するのもうなずける。
実際に、地震の被害にあったパキスタンなどで、このようにつくられているのである。




ナダー・カリリ氏のつくったCal-Earth Institute(カリフォルニアにある)で、その工法を学ぶことができる。

その工法は、徹頭徹尾、エコで、環境に優しいけれど、協会の理念には、もっと心を揺さぶることが書いてあるのである。

(1)安全な住まいは人間の権利である
(2)人間は、だれもが自分自身の家を、建てることができるべきである
(3) 地球の人口増加を可能にする建築は、土を使うものであるほかない


皮相な環境論者の語ることとは異なり、ほんとうに、魂が揺さぶられるではないか。

Cal-Earh Instituteのサイトには、避難シェルターとして建てることができる、もっとも簡単なプロトタイプのアースバッグハウスの作り方を、こちらのページで紹介している。
驚くべきことは、それは、わずか、2ページのカラーのもので、実際に避難民がそれをもとに、自らシェルターをつくることができるように書かれているのである。

もちろん、アースバッグハウスが生む、そのデザインも素晴らしい。
曲線が作り出す家は、直線で構成された僕らの家の概念をぶち壊す。
とても、アーティスティックな、土のぬくもりのある、自由なデザインの家ができてしまう。


さて、偉そうに「アースバッグ」の家の話を書いたが、このことを教えてくれたのは、足達タツヤさんというかただ。
現在、大分由布院の森に、ブログ友達のアーティスト、コオロギさんのアトリエを、おふたりで、アースバッグ工法で建築中なのだ。(こういう不思議な経緯でお会いすることに

建築完成予想図が、ここにある

先月訪れたときには、基礎しなかなったのに、土のうが順調に積み上げられている。
進捗度合は、彼のブログフェイスブックで確認できる。


このアースバッグ工法は、日本には、まだ紹介されたばかりで、建築実績は多くはない。
日本の高温多湿な風土にどの程度耐えるのか、検証はこれからだろう。

しかし、ほんとうに、ワクワクする「家」ではないか!

ちょうど、足達さん、コオロギさんたちは、お手伝いしてくれる人(ボランティア)を募集しておられるようだ。
実際に、アースバッグ工法の家の建築に関われるチャンスは、ほとんどないと思う。
もし、このアースバッグ工法の家に興味をもたれたら、ぜひ、ボランティアに訪れて、そのつくりかたを学んではいかがだろうか。


*2013年6月21日追記 足達さんたちのアースバッグハウスは完成しました。


(下の写真は、Flikrにアップされていたアースバッグドームの建築経緯の写真です)

 


by MickL

 


by MickL

 


by MickL

 


by MickL

 


by MickL