ICHIROYAのブログ

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世界を変えた時計とは~カシオF-91W

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 発展途上国の人たちの暮らしをよくしよう、貧困層の人たちにとっても世界を暮らしやすいものに変えようという志をもって、頑張っておられるかたがたくさんいて、世界も捨てたもんじゃないと思う。
 僕自身はインドへ行ったときなど、ただただその凄まじさ、命の安さに圧倒されてそこでビジネスをするということが、とても想像できない。スズキの車がたくさん走っているのを見て、鈴木会長のとてつもない偉大さを痛感した。

 この記事が途上国の人たちの社会をよくするプロジェクトのあるべき姿を書いていてとても面白かった。
 ’Just because a product has a social mission doesn't mean the product is great’(ソーシャルミッションによって作られたものが良いものとは限らない)
 

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 象徴的な失敗例のひとつとして、Playpump(プレイポンプ)のことが述べられている。このプロジェクトは子供の遊戯をポンプのかわりにして水を汲み上げようというもので、汲み上げられた水は広告板を取り付けた貯水槽に貯める(広告収入も得る)という風に作られている。
 資金も集まり実施に移されたが、残念ながらこの仕組みはうまくいかなかったようだ
 結局、子供が遊ぶことによって汲み上げられる水ではぜんぜん足らず、大人がわざわざこの遊具を回して水を汲み上げているそうだ(極めて能率が悪い)。

 このページに成功例のひとつとして取り上げられているのが、カシオのF-91Wというデジタルウォッチだ。
 このなんの変哲もない腕時計、日本では中学生も喜びそうにないこの腕時計は、発展途上国で、世界でめちゃくちゃ売れているらしい。
 Wikiにもこうある。

Casio F91Wはカシオ計算機により製造・販売されているクオーツ駆動のデジタル腕時計。安価、堅牢さ、信頼性などが評価され、1991年に発売されてから世界中で莫大な販売量を記録している。販売価格は7.50ドルから15ドル程度である。日本国内では長らく正規販売されていなかったが、2013年10月に販売開始。希望小売価格は2900円(税別)

 
 アラーム、カレンダー、防水機能がついており、電池は7年もつという。

カシオはこれまでの販売量を公表していない。デザイン・ミュージアム・ロンドンの担当者は「地味な傑作」であると評価している。

 
 この時計は、いわば「世界を変えた腕時計」と言っても良いのではないかと思う。この時計がいったい何千、何億人の生活を便利にしたのかと想像すると、なんだか胡散臭い言葉「世界を変える」も渋い輝きを放つように思えるのだ。

 カシオさんは、この時計の累計販売本数を公表すべきだと思う。
 技術の先進性だけでなく、この時計の成功こそ、カシオさんが世界に胸を張って宣言すべきことなのではないだろうか。
 幾百の言葉より、この時計の成功が、発展途上国でのビジネスや「世界を良い方向に変えるヒント」がそこに詰まっているような気がするのだ。

 ちなみに、このページに発展途上国向けのプロダクトやソーシャルビジネスを考えるときの4つの原則として次の項目が挙げられている。
 当たり前のことだけど、単に桁外れに安いものをつくれば良いということではないのだ。
 (興味のある方は原文を参照ください)

1. SIMULTANEOUSLY EMBRACE DESIRES & CONSTRAINTS
「制約と欲求をともに満たすこと」
2. MINIMIZE RESOURCE INEFFICIENCIES
「不効率を最小にすること」
3. OPTIMIZE VALUE
「価値を最大にすること」
4. DIGNIFY EVERYONE
「すべての人の尊厳を考えること」