やっぱり、ユニクロは世界でいちばん親切な会社になる!(ニールセンの最新調査が示すもの)
人間っていうのは、なかなか厄介な生き物で、悪いことはデマでもすぐに信じてしまうくせに、良いことは手取り足取り言い聞かせても信じない。
以前、
* ユニクロが、「世界一、親切な会社になる!」と宣言する日が必ずやって来る理由
* ユニクロが、「世界一、親切な会社になる!」と宣言する日が必ずやって来る理由 PARTII
という記事で、NGOの支援、寄付、サステナビリティに資する活動などをしている「CSRを重視する、いわば親切な企業」が、今後、大きく業績を伸ばしそうだということを紹介したが、ほとんど反響はなかった。
企業活動というのは、しょせん、営利のために人々を押し潰すものでしょ、というネガティブな見方が根強い。
とくに、ネット上では、そういった光の部分を語っても、建前はよそで言ってよとばかりの扱いになる。
しかし、やっぱり、そういうムーブメントは、世界中で共有されつつあるのだ。
世界的な情報・調査会社ニールセンの直近のレポート、「企業の社会的責任に関する調査レポート」を見れば、その光の強弱について意見は別れるかもしれないが、たしかに、灯りが見えることに気づいていただいてもらえると思う。
その調査レポートがこちらにある。
残念ながら、まだ、日本語訳はないようだが、ニールセンにメールで依頼すれが、送ってくれるようだ( こちらのトップページに記載されている。無料か有料かは不明 )
その調査は、世界58カ国、29000人のオンライン調査で行われたものだ。
その調査によると、こんな結果になっている。
社会に貢献している企業の商品・サービスにはより高い金額でも支払うと答えた回答者は、2011年の45%よりも増え、半数(50%)となりました。この賛成した回答者の割合は、男女ともに、すべての年代での増加となりました
たしかに、企業に社会貢献を求める声は、高くなっているのである。
また、国別に、どれだけの割合の人が、そう思っているかを示したグラフがあり、それが非常に面白かった。
レポートの7ページ目を見ていただきたい。
「社会に貢献している企業の商品・サービスにはより高い金額でも支払うか」という質問に対して、そう思う人の割合の高い国ベスト10は
(1位)インド 75%
(2位)フィリッピン 71%
(3位)タイ 68%
(4位)インドネシア 66%
(5位)エジプト 64%
(6位)ベトナム 64%
(7位)ペルー 62%
(8位)パキスタン 61%
(9位)ベネズエラ 60%
(10位)コロンビア 60%
そうは思わない人の割合の高い国ワースト5は
(1位)エストニア 27%
(2位)ベルギー 28%
(3位)ロシア 29%
(4位)クラチア 31%
(5位)フィンランド 31%
(6位)オランダ 31%
(7位)フランス 31%
(8位)日本 31%
(9位)イギリス 32%
(10位)チェコスロバキア 32%
おおむね、開発途上国の人たちほどそう思う割合は高く、先進国ほど、その割合は低い。
開発途上国の人たちは、おそらく、営利のみを追求する企業活動が、自分の生活に実際に過酷さを強いていることを感じていて、それに対する「NO, MORE!」の声が、高い数値に現れているのであろう。
ニールセンの解説によると、ヨーロッパ諸国では、伝統的に「企業活動はすべて合計すると結果的には悪」というシニカルな見方をするひとが多く、それが影響しているという。
だから、CSRをうたっても、単にポーズだろうという風に見られてしまう。
日本も同じく数値が低い。(以前の記事に人気がないはずだ!)
生活レベルは違っても、企業の営利を追求の姿勢のために、過酷な労働を多く生んでいるこの国が、なぜ?
ヨーロッパの人たちは、バカンスを楽しんだりして、個人の生活は豊かだ。だから、斜に構えたら、そんな数値がでるのは、納得できる。
でも、日本は?
個人の生活は決して豊かではないのに、ヨーロッパの人たちのように、「どうせ企業は利潤を追求するもの」と諦めてしまっているのだろうか?
消費者として買い物の行動を変えれば、企業を変え、ひいては、自分の生活を変えることができるのに・・・
ちなみに、このレポートが示す、いちばん大きなポイントは、今後、巨大化していくであろうインドなどのマーケットで売っていこうと思えば、「社会に貢献している」というブランドイメージ、コーポレートアイデンティティが必須になる、ということであろうか。
で、なぜ、ユニクロが世界でいちばん親切な会社になるのかって?
それは、こちらを読んでね!
ユニクロが、「世界一、親切な会社になる!」と宣言する日が必ずやって来る理由
photo by Xavier Donat