ICHIROYAのブログ

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何歳になっても「自分探し」の旅の途上でいいじゃないか!

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 「自分探し」とか「自己実現」とかいう言葉は、いつからか、否定的な意味を帯びる場合が多くなったような気がする。
 よい歳の大人が「自己実現したい」、「本当の自分を見つけたい」と言い出そうものなら、百万のため息を浴びせられることは必定である。
 しかし、しかし、である。
 何歳になっても、まだそれが見つかっていないなら、いつまでも探し続けたっていいじゃないか、と僕は思う。
 それは若者の青臭い理想ではなく、僕らが生きるうえで真に追求すべきものではないかと。
 もちろん、「自分探し」にはリスクとコストを伴う。親としての責任とか、配偶者としての責任とか、仕事での責任とか、多くの大人はいくつかの責任を背負いながら生きているので、そいつを投げ出すわけにはいかない。
 そこでそういう大人には、「サイドプロジェクト」という考え方がとても良いと思うのだが(過去記事1過去記事2)、若いひとはギリギリまでいろんなことを試せば良いと思う。

 「自分探し」に関する記事は英語圏でも多く、「Find Your Passion」という言葉が常套句になっており、あちこちで語られている。
 今朝みつけた記事、「Find Your Passion With These 8 Thought-Provoking Questions(自分探しのための8つの刺激的な質問)」は、4月14日に公開されて大人気となっている(1900Tweet, 8500Like,1800Share)。特別に目新しい内容が書かれているわけではないが、よくまとまっており、僕自身あらためて考えさせられる点もあった。そして、この古くて新しい問題は、やっぱり世界共通なのだなと思った。

 この記事に紹介されている「自分探し」のためのヒントになる8つの質問とは、

1.あなたがもっとも輝いているのは何をやっている時か?
2.あなたが信じているのに、ほとんど誰も信じていないことは何か?
3.あなたの得意なことは何か?
4.10才のころ、あなたが一番好きだったことは何か?
5.あなたが今、喜んでトライしていることは何か?
6.20~30年後に、あなたがそのキャリアで達成したと言いたいことは何か?
7.あなたをたったひとつの文章で表現するとどう言われたいのか?

  
 若干の説明を原文から要約してお伝えしよう。
 2の「あなたが信じているのに、ほとんど誰も信じていないことは何か?」は、Paypalの共同創始者のひとりPeter Thielがインタビューに答えて話したことだそうだ。
 「ユニークでいること、真にオリジナルであることは、とても難しい。ほかのひとたちは、ユニークな解決やアイディアを寄ってたかって否定するからだ。だけど、だれも扱っていない問題をみつけたり、解決方法を探し出したりすれば、あなたはあなた自身の価値を創造できる。私たちは競争なんてほんとうは嫌いなのに、競争に勝ち抜くことが成功であるというように教えこまれている。しかし、それは壁に頭をぶちつけて向こうへ行こうとしているようなものだ。ユニークであるということは、誰も知らない扉をみつけて、それを開いて向こうへ行くようなもなのだ」
 じつは、Paypalさんには創業当時からうちもお世話になっている。当初、「emailでお金がやりとりできる」などというアイディアは、いわばキワモノ扱いで、僕自身、「このサービスは本当に大丈夫かな」とヒヤヒヤしながら使っていたことを思い出す。
 そのサービスを始めたPeter Thielさんが言う言葉なので、とても心に沁みる。
 自分が素晴らしいと思うアイディアが周囲にまったく受け入れなかったときこそ、ほんとうのチャンスである場合もあるということを、胸に刻みたい。

 5の「あなたが今、喜んでトライしていることは何か?」について、こんなアドバイスが書かれている。
 自分の道をみつけるために、多くのひとがあまりに多大な時間を、自己啓発書を読んだり、色々と情報集めて分析したり勉強したりしている。
 だけど、そういう情報の中には自分の道は書かれていない。
 やってみる、行動してみるということを通じてしか、そういうものはみつからない。だから、可能な限りたくさんのことを、やってみよう、体験してみよう、と。
 まったくそのとおりだと思う。

 そして、最後の質問に、僕自身、まだ答えがないことに気がついた。
 もし欧米風に墓石があったとして、そこに刻んで欲しい言葉。

候補1.アンティーク着物の海外発信と後世への情報保存に努め、死す
候補2.サラリーマン生活に敗北したのち、ブログでたくさんの人を勇気づけ、死す
候補3.仕事を愛し、家族を愛し、友だちを愛し、仲間を愛し、読者を愛し、なにも成し遂げず、死す

 だめだ。
 2,3行で書くことはできそうだが、ひとつに絞るのは案外かなり難しい。
 55才にして、まだ、墓碑銘に刻んで欲しい言葉が煮詰まらない。
 「自分探し」の旅は、まだまだ続きそうだ。
 
 あなたが刻んで欲しい墓碑銘の言葉は、もう決まっていますか?

photo from New Old Stock