ICHIROYAのブログ

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勇気を奮って飛んでみた、そして飛べたのに、飛び方が下手だという人たち

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 今朝は相当感動した。
 もし、あなたが英語OKなら、僕の記事を読まずに直接元記事を読んでいただきたい。

I Can't Write Real Good(私は上手に書けない)
 

 この記事を書いたCaseyさんは、Youtubeで人気のフィルムメーカーだ。現在彼は85本の動画をYoutubeに上げており、大人気で、そのうち何本かは1000万回以上視聴されている。
 そして、驚くことに、彼は最初の動画「Bilke Lanes By Cassey Neistat」をつくったとき(この動画も1000万回を超えている)、彼は動画制作について何も知らず簡単な録画機器で、まったく自分流に作ったそうだ。
 話は彼がニューヨークのバイクレーンを自転車で走っていて、バイクレーンを外れたからと言って警官にチケットを切られたことから始まっている。実際のところ、ニューヨークのバイクレーンは障害物で満ちており、そこだけを走ることなど不可能なのだ。
 その理不尽を訴えるために作られた動画なのだけど、メッセージ性だけでなく楽しめるように工夫されており、とてもアマチュアのものとは思えない。(下に貼ったのでどうぞ。英語OKでなくても楽しめます)

 いや、プロが見たら、この動画は、不器用で、ベーシックな技法を知らず、素人まるだしのレベルにとどまっているのだろう。
 
 そして、彼が動画に埋め込んでいる文章について、様々なネガティブなコメントを浴びせられたと述べている。
 多くのひとが、彼の文章の、スペルの間違い、文法の間違い、多すぎるコンマとandについて指摘したという。
 
 じつは彼は高校中退で正しい文章作法を学ぶ機会がなかった。
 だから、彼ほどの人気の動画をつくるひとでも、文章についてはコンプレックスを抱えており、それを指摘されることは、かなり辛いことだったと書いている。

 だけど、それがどうしたっていうんだ?!
 そう書く彼のこの記事に、僕は、めちゃくちゃ感動してしまった。
 何億円もの大金をつぎ込んで作られる商業映画が、完璧なテクニックと材料を使ってつくっても、見事に滑るときだってある。
 しかし、彼の動画は、テクニックを知らなくても、つけられた文章が洗練されていなくても、これほどのチカラを持っているのだ。

 そういえば、僕のこの記事は、時間がなくてかなり大急ぎで自分流に意訳したものだが、ブックマーク1489、いいね!4423、ツィート878と多くの人に共有していただいた。書いているとき熱くなって、自分の思うままに書いたので、単語の重複や句読点の多さなど、僕のレベルでももうちょっとなんとかできたかなと思う状態のまま、公開した。
 しかし、結局は、内容そのものと、語り口の熱さが、その武骨な部分を相殺したのだと思う。あまりの共有のスピードに、手を加えたいところもあったのだが、その文章の力を削がずに整えるというテクニックに自信がなかったため、いまでも、そのままにしてある。

 この記事のコメントにも、やはり、寄せられているのだ。
 「句読点だらけの読みにくい文章だ!」というようなコメントが。

 僕は彼の意見に100%同意する。
 

So to the detractors who, say, I, use, too, many, commas and those who say I use ‘and’ too many times and everyone who was kind enough to take time of of their busy schedules to correct my grammar in this, a casual blog, I say; you’re wrong and those of us trying despite discouragement are right.

 
 僕を否定するひとたち、僕がコンマを使いすぎるというひとたち、僕が「and」を使いすぎるという人たち、そして、忙しいのに僕の文法の誤りを指摘してくれるすべてのひとたちに言いたい。
 あなたは正しいかもしれないが、じつは間違っている。
 不慣れなこと、苦手なことに萎縮せず、何事もやってみようという僕らは間違いだらけかもしれないが、それこそが唯一の正しいやり方なのだ。
 

 
 あなたが空を飛んだら、地上で椅子に座って見上げているひとたちは言うだろう。
 飛び方が間違っている。あんな高度、飛んでいるとは言えない。エンジンに力がないから、強風が吹いたら墜落するだろう。操縦が下手だ・・・
 評論家風情のそんな言葉に惑わされる必要はない。
 あなたが飛んでいるということを、畏怖と驚嘆の思いで見上げている人たち、ただただ無言で見上げているひとたちが、そういう人たちの何倍もいる。
 いくら飛び方が下手でも、飛んでみた、飛べたという事実を、ちゃんと見ている人たちがいるのである。
 飛行技術を磨くのは、それからでも遅くはない。

 

 

photo from New Old Stock