ICHIROYAのブログ

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「聞く」チカラ

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 会社を辞める時、妻はきっとよい営業マンになるだろうなと思った。
 なんとなくそう思ったのだが(実際にふたりで仕事をしてみたらそうだった)、昨日、読ませてもらったブログで僕がそう感じた理由がはっきりとわかった。
 妻は人の話を「聞くチカラ」が優れているのである。

 たとえば、家にいるときの電話。
 長い。
 さまざま忙しいのはわかっているので、いい加減に電話を切ったらいいなと思うのだが、なかなか電話は終わらない。
 長くなると僕や次女に気を使って、別の部屋にいったりもするのだが、聞こえてくる内容は、ほとんどが相槌とか短い話で、要は先方の話を聞いているばかりのようだ。先方からかかってきた電話でも、こちらから様子伺いなどで電話した場合でも、彼女は基本的に聞き役に徹しているように思える。
 
  村長 (id:bjcspd) さんが営業職になったとき、最初全然契約が取れなかったそうだ。一生懸命自社のサービスの良さを説明させてもらおうとした。上手に話せるように色々と工夫もされたのだと思う。だけど、うまく喋っても、契約は取れない。ある時アドバイスをしてくれる方がいて、その時から、お客様のところへ行っても、自分からは喋らず、とにかく聞くことに徹した。お客様からいただいた時間は、先方の話を聞くことに全部費やした。すると、心を開いたお客様から、注文をいただけるようになったというのである。

 もちろん、「お客様の話を聞け」というのは、真新しい話ではない。
 でも、あまりに劇的な話なので、僕の胸に刺さった。

 なにかを成し遂げたいとき、たとえば自分の始めたサービスを使って欲しい時とか、自社のものを買って欲しい時とか、僕もついつい、自分の話ばかりしてしまう。
 それは僕だけでなく、たとえば数人の宴席でずっと自分の話で場を占領してしまうような人もいるから、「聞くこと」は誰にとっても簡単というわけではないのだろうと思う。

 そういえば、大阪でブロガーの集まりをやろうとなった時、 いぬじん (id:inujin) さんが、「参加者の満足度は、自分が喋った量に比例する」というようなことをおっしゃっていた。なるほどなと思ったのだけど、それを聞いた時、「いや、とはいえ、もっと大事なこともあるような気がする」とも感じた。が、「参加者の満足度は、自分が喋れた量に比例する」ということを基準に会の運営はデザインされることとなり、結果、参加者の満足度は予想以上に高かったように思う。

 とにかく、みんな、「聞くこと」の大切さはわかっているのだけど、忘れがちだし、それが自然にできない人は、注意と努力が必要となる。
 ちょうど、「待つこと」にも強い自制のチカラが必要なように。
 
 僕らには時間がない。
 なにか大切なことを成し遂げるためには、急ぐ必要がある。
 だけど、じっくりと「聞くこと」に時間を割くのをいやがったり、「待つこと」に我慢できなくなったりして、その大切なことに急いで近づいているつもりが、かえって遠ざけているような気もするのである。

 

sharon.hatenablog.com


 

photo by Ian Sane