ICHIROYAのブログ

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腎結石とともに生きていく

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 なんだか左の背中脇腹近くが鈍く痛いような気がする。
 いや、これは持病の腰痛のはずだ。しかし、それにしては、位置が骨からかなり離れている気がするし、違和感は片方だけだ。
 もしかすると。

 先日、人間ドックに行ってきた。
 去年は、脳のMRIの結果で、閉所恐怖症であることがわかった。そういば、かつて、ベトナムのクチの地下陣地の洞窟で気が狂いそうになったことがあり、その病名がわかって安心した。それ以来、狭いと思われるところ、そういうアクティビティからはなるべく距離をおくようにしている。
 今年は大丈夫か、僕はすこしドキドキして、結果を伝えてくれる診断室へ入った。 

  診察室には、初老の紳士の先生がおられ、深々と頭を下げて下さり、「これは、これは、社長様。たくさんの従業員の方を健康診断に送り込んでいただき、ありがとうございます」とおっしゃって、名刺をくださった。
 名刺には健康管理なんとかという部門名と偉い職位が書かれていた。
 一介の商店主のおやじに、下げるアタマではない。
 しかし、それなりのお金を毎年病院に落とせば、温厚そうな紳士然とした偉い先生も、患者が良い客に見えてくるのだな、そういうビジネスマインドが、この病院を評判の大病院にしているのだなと感心した。
 僕は恐縮して、丸椅子に座り、そんなことより、何か重大な、死刑宣告みたいなものがあるなら、早く聞かせて欲しいと思ったが、すこし誇らしかったことは白状せねばなるまい。

 なんと、今年は、腎臓の石が少し大きく成長したらしい。去年も、石があることは伝えられていたが、今回は、わざわざ、超音波写真と腎臓結石の説明がプリントアウトされており、それをおみやげにもって帰ってくださいとおっしゃる。
 そいつが何センチだったか、もう忘れてしまったが、それが腎臓から降りてくるかもしれないという。
 そして、そういう事態になった時には、そうとうな激痛を覚悟しなければならない、と。
 いま、ネットで調べたら、出産の機会のない男性にとっては、おそらく生涯で感じる一番の痛みであるという。
 
 で、先生がおっしゃるには、その写真と説明書を持っておいて、激しい痛みが背中に来たら、石のせいだとおもってください、と。
 思ってからどうすりゃいいのか、恐怖心に駆られていた僕は聞き逃した。
 救急車を呼んでも許されるのか、家で激痛に耐えてひたすら石が出口に近づくことを祈っていればよいのか。
 とりあえず、写真を『なんでもノート』に挟んでおいたようが良いことはわかった。
 そして、水をたくさん飲め、と先生はおっしゃった。
 (お歳だから)おしっこが近くなって、面倒くさいかもしれないけど、飲んで飲んで飲みまくって、そいつを溶かしてしまいなさいと。
 
 というわけで、今年の年末年始は、腎臓結石とともに迎えることになった。
 もちろん、先生のいうことをよく聞いて、水を飲みに飲みまくってやろうとは思っているが、それで石が完全に溶けてなくなってくれるとも思えないし、飲めば飲むほど、そのXデーが近づいてくるような気もするのである。
 
 やがて、そいつは出てくるだろう。
 生涯で一番の痛みとともに。
 しかも、大晦日のカウントダウン中とか、元旦の朝とか、世間がもっとも神聖としているたいせつな時間を狙いすましたように。
 ガッデム!

 なんだか、左の背中脇腹近くが鈍く痛いような気がする。
 いや、気のせいだ・・僕は、腎結石とともに生きていく。