photo by Neil Conway
スマホやパソコンのおかげで、さまざまなことを簡単に記録して、保存し、必要に応じて検索して参照するということが、すこぶる簡単になった。
最近では、スマホかパソコンに直接打ち込むことが多くなり、紙の手帳やノートをほとんど使わなくなっていた。
たとえば、誰かと打ち合わせのために、使うことがあったとしても、一時的なもので1年後にそれを見返すようなことはなかった。
最近、『なんでもノート』というのをつくり、いつも持ち歩いてて、それがかなり便利なことに気がついた。
A5サイズの写真のような方眼罫のもので、ビニールのカバーをつけて、使っている。
具体的にはこのノート。
以前、手帳をメインに使っていた頃、ポケットサイズとA5のシステム手帳を併用していた。
システム手帳は、参照頻度が高いと思われる長期保存用の内容のページと、そうでないものを分けて、携帯していつも参照したり、不要なページを保存用のものに移したりできる点で、非常に便利だった。
もちろん、そこにはカレンダーと To Do Listも含まれていた。
そういう手帳を使わなくなった最大の理由は、カレンダーとTo Do Listを、パソコンとスマホに移行したことだ。
そのふたつがスマホで事足りるようになると、手帳を持ち歩く必然性が薄れてしまい、必要な時だけ、適当なノートや紙を使い、どうしても必要なものはパソコンに移して、それ以外のものはどこかに霧消してしまうという生活を10年ぐら続けてきてしまった。
しかし、なにか抜け落ちていっているよなとか、あれはどこかに書いたはずだけどとか、あの人のご家族はどうだっけとか、ときどき思うようになってきた。
歳のせいで、記憶力が鈍ってきているというのもある。
だけど、歳のせいだけでもなく、日々のデーターの保存の方法に、なにかうまくないところがあるんじゃないか、と思いはじめた。
そこで、このノート、ノートにしては864円と破格に高いノートを買って、小さな筆箱と書き味の良いジェットストリームのボールペンとマーカーを一緒に持ち歩くことにした。
そして、なんでも、そこに書き込むことにした。
たとえば、リサイクル着物の競り市にいけば、その時に気づいた相場、たとえば、ある程度の使用感のある黒の龍村平蔵の袋帯はいくらだったとか、千總の色留め袖はいくらだったかというようなことを書き込む。
デスクで仕事中に覚えておくべき落款の写真をみつけたら、プリントアウトして切り抜き、ノートに貼る。
仲間の釣りの手配をすれば、電話で船長から聞いた料金とか注意事項を、そのままノートに書く。
仕事の打ち合わせをすれば、その内容をそのまま記録する。
夢に珍しい人が出てきて気になったら、そのことをメモする。
友達のお嬢さんが出産したと聞けば、その日付とか名前とかを書く。
それを、日付順に、あとで読めるように丁寧に書いている。
この僕の『なんでもノート』は、使い勝手が良いことに気がついた。
もちろん、ノートの中には、たいして保存する価値のないものと覚えておくべきことが混在しているのだけど、書き方次第で、あとで利用しやすくもできる。
たとえば、この『なんでもノート』に必ず書いたという確信があれば、このノートだけを探せばよい。
日付順に並んでいるのだから、日付を手がかりに探すことができる。
また、まだ、はっきりとは決めていいないのだが、マークをいくつか決めて、それを目立つように書き込んでおけば、あとでそのマークが役に立つように思う。
いままで、ラインマーカーで重要なものは色をつけていた。色をつければ目立つし、ルールを決めて色をつけるのものいいのだが、いかんせん、そのためにはラインマーカーを取り出す必要がある。
しかし、たとえば、このようなマークをつくってそれをメモにつけておけば、かなり時間がたっても、探しだしやすいように思うのだ(僕自身はもう少しこのノートを使ってからマークを決めようと思っている)
友達のことに関する情報で覚えておきたいもの
仕事に関することで覚えておくべきこと
お金に関することで覚えておくべきこと
まだ、僕も試行錯誤の最中だから、この『なんでもノート』がこれから先、どの程度有効に使えるかどうかはわからない。
だけど、今のところ、とても便利だ。
昨日、娘に共通の知人のことをあらためていろいろ訊ねて、この『なんでもノート』に記入していたのだが、娘の反応は「認知症、はじまったの?」であった。
いや、違うんだよ、たぶん。
あなたは、紙のノートをどんな使いかたをしていますか?