77才で僕より重いバーベルを持ち上げる女性が教えてくれること
photo by markus spiske
この記事によると、マーヒーさんという77才のこの女性は、47kgの体重で、215ポンド(約97kg)のバーベルをデッドリフト(床から腰まで持ち上げる)できるそうだ。
Bryant: 77-year-old lady can lift more than you
しかも、若いころからそういう練習をしていたわけではなく、2、3年前に5ポンドをあげるところから始めたのである。ある日、YMCAのジムに貼りだしてあったウエイトリフティング大会のポスターを見て、参加してみたくなった彼女は、私も参加できますかとYMCAのトレーナーに聞いた。そのトレーナーは、「がんばってみて、おばあちゃん(Go for it, granny.)」と言ったそうだ。
「47kgで97kgのデッドリフト」がどの程度のものか、実感としてはわからないのだけど、トレーニングを始めるときは、体重の倍程度を目標にしようとか、20代でトレーニングを始めた日本男性が最初80kgだったと書いておられたのを見たので、おそらく、今の僕にはとうてい上がらない重量だと思う。
その記事を書いたエリカさんという女性がやってみたところ、体重54kgの彼女は50kgをデッドリフトできず、97kgのバーベルはほとんど転がして動かすこともできなかったと言う。
最近、運動不足だ。
ラブの散歩に毎日45分ぐらい歩いているが、コレステロールや中性脂肪の値が下がらず、薬を飲まされている。
高い目の値が続いているので、薬を強いものに変えましょうかと先生に言われて、いや、意志力でなんとかしますので、次の検査まで待ってくださいと宣言したものの、今の食べ具合と運動量では、先生に意志力のなさを証明するような結果になりそうである。
やはり、何か本格的に運動を始めたほうがいいのかもしれないと、切に思い始めている。
僕の父は80才ぐらいまで社交ダンスをやっていた。
母が「みんなに嫌がられているのも知らんと。みっともない」といつも愚痴っていたが、それなりに運動になるし、まあ、ちょっと鼻の下が伸びているのは気になるけど、まさか今から色恋沙汰もないであろうと、どちらかと言えば歓迎していた。
しかし、あんなに入れ込んでいたのに、父は社交ダンスもぱったりやめてしまい、85才のいまは体力的にもかなり弱ってきてしまっている。
マーヒーさんの記事を読んで、ウォーキングや社交ダンスなどより、歳をとっても、もうちょっとアクティブなスポーツをするほうが、長い間、健康でいれるのではないかと思いはじめてきた。
そう書くと、また、剣道やるのかと笑われるにきまっているのだが、剣道が続かなかったのは、けっして僕の意志力の弱さが原因ではなく、ほんとうにカラダがそれを許さなかったのである。もしあのまま剣道を続けていたら、僕の腰は砕けちっていただろう。たしかに僕が購入した面などの防具は、防具屋さんが薦めてくれたちゃんとしたもので、韓国かどこかにセミオーダーまでしたのだ。それを1回か2回しか使わなかったからと言って、いまだにみんなが笑い話のネタにするのは、どうかと思う。
マーヒーさんは、片手での懸垂も、片手での腕立てもできるし、指立て伏せで鼻を床にタッチできるそうだ。
いまやってみたら、あとのふたつは僕にもできた。
しかし、77才の僕、つまり、22年後の僕が、それをできるイメージがまったく湧かない。
ついつい悲観して、22年後は電動車椅子かなとかイメージしてしまうと、ほんとうにそうなりそうだ。
あるべき姿のイメージを持っていないと、きっとそうなる。
やはり、なんとかしなくてはなるまい。
ぴくりともしないバーベルにがっかりしている記者のエリカさんに、マーヒーさんはこう慰めてくれたそうだ。
Don't worry, she told me. Everybody has to start somewhere.
心配しないで。誰だって、みんな、それぞれのスタート地点から始めるのよ!