ICHIROYAのブログ

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ネットでみつけた日本最長の日記とイギリス最長の日記

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 ギネスブックには、人間のなしえたありとあらゆる偉業が書き込まれている。
 僕はとつぜん、日記の継続日数の世界記録というものがあるのか、ということが気になって調べたみた。
 ギネスのページで検索してみたが、ない。


 誰もが、日記をつける利点はわかっているし、それを長く続けたいと思った人は多いはずだ。
 文章を書けるようになった年齢から、成人し、老人になって死ぬまで、一日も欠かさずに、日記をつけることは不可能ではないはずだから、その期間が何年あったかということは計測可能で、その最長がどの日記かということは絶対にわからないというものではないはずだ。
 
 しかし、それがギネスにないということは、そもそもそんなことを長年にわたって続けることができた人がいそうでいないのか、もしくは、それはさほど珍しいことではなく「その日当日に書かれた」ということを証明することが難しいから比較できないかのどちらかであるに違いない。

 と思いながら、日本語と英語で検索してみたら、長い日記は、やっぱりあった。

 日本では、『日本最長の日記』に書かれている遠藤三郎・元陸軍中将の日記。
 11才から91才までの80年の記録だという。一日も欠けていないのかどうかはわからないが、記事を読む限りではほとんど毎日書かれていたように思える。
 しかもこの方は、「関東軍参謀副長や航空兵器総局長を歴任し、戦後は開拓農民へ転じ、そのかたわら日中国交回復に尽力した異色の人物」であり、貴重な史実を含んでいる。
 11才といえば小学校5年生であり、そこから91才に至るまで、日記を書き続けられた。
 ともかく、偉大である。仮に彼が陸軍中将にまで出世していなくても、明治の人らしく、彼はその日記を書き続けたのではないかと思う。

 英語の検索でみつけたのは、 イギリスのJohn Gaddさんという人の日記で、彼の日記は17才のときに始められ83才に至るまでの66年間の記録である。ただし、45才までは毎日書いたわけではなく飛び飛びに続けて、45才以降は毎日書いているという。
 それには絵や写真、チケットなども貼りつけられており、毎日費やす時間は20分。週末にはさらに2時間かけて追加したり整理したりするという。
 その累計は、151冊、21,000ページ、重さ半トンに及ぶ。
 
 
 そういえば、僕も高校の頃、日記をつけていた。
 結婚して家を出るとき、その日記とアルバム、写真の束はすべて実家に残してきた。いつだったか、母に「どうするんや」と訊ねられたので、処分しといてと答えた。
 その時点で、僕の高校時代や中学時代の思い出というのは、叶わなかったことや、悔しかったこと、辛かったこと、恥ずかしかったこと、忘れてしまいたいことばかりで黒く塗り込められており、焼却炉にすべて放り込んでしまいたいものと思えたのだ。
 卒業後は嫌なことは思い出さないようにしているので、その記憶も徐々に薄れ、嬉しかったことや楽しかったこと、誇らしかったことだけを、時々思い出す。
 ただし、日記も写真もないので、嫌なことと一緒に、楽しかったことのディテールも失われてしまい、良い思い出もビビッドに思い出すことができない。

 考えてみれば、僕は、いつも恥ずかしい失敗や辛いことに囲まれており、何歳からそれがなくなるということはない。
 程度の差はあっても、高校時代のように、多くの忘れてしまいたいことと、たまに訪れる忘れたくない素晴らしい瞬間を生きている。
 そして、そんな毎日こそがかけがえのない特別な日々なのだと、忘れてしまう。
 やっぱり、日記を書くべきだなと思った。
 嫌なことは少しでいいから、あるいは書かなくてもいいから、その日にあった大切な瞬間はとくに。


 今年から始めた10年日記。途絶えてしまっていたので、
 再開。
 
 おふくろは、僕の高校時代の恥ずかしい日記、ほんとうに処分してしまったのかなあ。

 

photo by stordito