財政破綻したデトロイトの公共交通機関を救いつつあるのも、25才の若者だった!
財政破綻したデトロイトでは、唯一の公共交通期間のバスが、予算のカットで、多くの路線は廃止され、市民の足に大きな影響が出ている。
先日、ギリシャを変えつつある若者たちの話を紹介したが、デトロイトでも、若者たちが立ち上がっていた。
デトロイトの破綻が確定する前まで、じつは、新たな公共交通機関システム、M-1路面電車というものが計画され、市民は大いに期待していたのだった。
が、この計画は、去年の1月、公式に頓挫した。
しかし、それを聞いて、ついに、ひとりの若者が立ち上がった。
デトロイト生まれの起業家、アンディ・ディドロシさん(Andy Didorosi)である。
彼は25才にして、すでにいくつかの事業(Paper Streat レンタルオフィスのようなもの, The Thunderdrome 地域のレースイベント、Wireless Ferndale など)を成功させている起業家だ。
デトロイトには70万人住民がいて、みんな、安全で、信頼のおける公共交通機関が必要だと思っている。だけど、毎朝、会社に行こうにも、そのシステムがない。
そんなことがあって良いのか。
彼は、たったひとりで、無謀にも、バス会社を設立したのである。
彼は古いスクールバスを買い、落書きアーティストを雇ってペイントしてもらい、Bettisと名づけた。そして、そのバスに、高らかに彼らの社名を描いた。
デトロイト・バス・カンパニー!
さて、彼のこの無謀な試みの結果が、いまどうなっているか、彼らのHPから紹介しよう。
現在(2013年8月)、HPで紹介されている事業は、3つである。
❐Public Services ( 公共サービス )
❐Rent a Bus ( バスレンタル )
❐Tours and More ( デトロイトツアー )
公共サービスのうち、現在、走っているのは、Youth Transit Allianceという仕組みである。放課後の活動のあとの生徒たちを、無料で家に送り届ける。
これはスキルマン財団という団体との共同事業で、アプリを使って、生徒たちとバスの走る経路を極限まで効率化することによって実現したサービスだ。
デトロイトでは、子どもたちは歩いて帰らなければならないけど、街灯の半分は消えてしまっているし、あちこちに、放棄された空きビルがあり、危険すぎるので、親たちから、とても評判が良いらしい。
現在、デトロイトのダウンタウンへ行く路線、ハムトラミックへ行く路線が、調査・検討中である。どちらの地区も、駐車場が少なく、車でのアクセスに問題があるようだ。
バスのレンタルでは、上の写真にあるような、グラフィティを施したバスなどがレンタルできる。
ツアー事業も、色々と考えられている。
土曜日の夜には、一晩中、デトロイトの主要部分を巡回するバスが走っている。
これに乗ると、どこかのレストランで食べて、バスに乗り、ライブに行って、また、バスに乗り、深夜営業をやっているバーに乗り込んで・・・みたいなことができるのである。
また、デトロイトの歴史的なバーを巡るバスツアーとか、会員制バーを巡るバスツアーとか、秋のビール祭りにあわせて地ビールのブリュワリーを巡る旅、なども販売されている。
どうやら、無謀の極みと思えた彼の挑戦は、いろんな人たちの助けを得て、うまく走りだしているようだ!
最後に、アンディさんが、こんなことを動画で語っているので、紹介しよう。
ほかの街じゃ、君は単なる乗客だろう?君なしでも、バスは走る。
でも、ここデトロイトじゃ、世界を変えるチャンスがあるんだ。新しい交通システムをつくることも、子供を教育する新しい方法をつくることだってできるんだ。
こんな場所が、ほかにあるかい?
(注)複数のソースおよび彼らのHPから文章化しました。使用している画像は、動画から切り出したものです。
(追記)「アンディくん」と記載しておりましたが、ご指摘いただき、「アンディさん」に修正しました。失礼いたしました。