初孫にはキラキラネームを!
2月に出産予定の長女が帰省中で、仕事を終えて家に帰ると、大きなおなかを抱えてのったりと夕食の準備をしている。
かつては、料理など無縁で、自分の好きなことだけをして飛び回っていた彼女が、毎日、楽しそうに料理をしている風景。
ありえない。
ふと気がつくと、座り込んで、涎掛けの刺繍なんかをしていたりして。
いつから、針仕事なんて、するようになったんだよ。
おい、気は確かか。
何か月ものあいだ、超音波の検査のたびに、子宮のなかで位置を変えて、性別を悟らせなかった恥ずかしがり屋のあいつも、直近の検査で、ついに局部の映像がとらえられ、性別が判明した。
初孫は、オンナであった。
いま、気になるのは、名前である。
変な名前をつけようとしている。
何度か聞いたが、いま、書こうとして、覚えていないことに気がついた。
めちゃくちゃトンでもいないけど、ちょっと、変わった名前なのだ。
そんなだから、覚えられないんだよ!
どうも、最近のひとは、ちょっと変わった個性的な名前をつけたがるような気がする。と思って調べたら、そういう変わった名前を、最近じゃ、「キラキラネーム」と言うらしい。
ちょうど、明治安田生命の2012年名前ランキングというのが発表されていた。
オンナのベスト10は、
(1)結衣、(2)陽菜、(3)結菜、(4)結愛、(4)ひなた、心春、(7)心愛、(8)凜、(9)美桜、芽依、優奈、美結、心咲
となっている。
なんだこりゃ、キラキラネームのベスト10かと思ったら、実際につけられた名前の多い順である。
そもそも、読めもしない。
ぜったいに、「”ような”さん」「ムッ! ちがいます! ”ひな”です」という間違いがおきず、安心して読めるのは、ひらがなの「ひなた」ちゃんだけである。
「心愛」なんて、いったい、なんと読ませるのかと思ったら、読ませ方もさまざまで、「ココア」「ココナ」「ミア」「コア」「ココロ」「リズナ」などである、と書かれている。
こんなことを書いている自分が、あまりにも「最近の若いもんは」的ジジイに思え、情けなくなってきたので、これ以上の論評はやめる。
それにしても、このリストを見て思うのだ。
「自分たち独自」の思いをこめて、「自分たちならではの特色のある」名前をつけたと思ったら、幼稚園に入れたら、ちょっと変わった、ちょっと読みにくい、おんなじ名前の子が、何人かいて、がっかり、てなことにはならないのか、と。
どうせ、子供なんか、親の思いをこめて名前をつけても、そのとおりにはならない。
反発して、マギャクの人生を歩むのがオチである。
テキトーに、あっさりして、読みやすく、覚えやすい名前をつけりゃいいのだ。
俺の名前は、「一郎」。
「いちろう」と読む。
何か文句あっか?