オンラインコミュニティを育てるために必要な4つのタイプのユーザー
何度か書いてきた『Kimono Archive(バーチャル着物ミュージアム)』だが、システムの構築に手間取っている。いまできている部分のうち、デザイン的な処理を施す前の一覧画面はこんな感じだ。
そもそもKimono Archiveの目的は、
1.毀損していく着物をせめて画像で後世に残す
2.着物の素晴らしさを世界に発信しデザインソースとしてもらう
ということなのだが、そのために、
3.少数の個人のコレクションに依存することなく、それぞれのコレクションを持ち寄って多くの着物ファンでつくる
4.その着物の写真を残すべきかどうかは、お互いの評価を基準にする
ことを考えている。
そのためフェイスブックとの連動を埋め込むなど、ソーシャルな要素が増えている。非営利であるだけに大きな資金を投入して一気にというわけにもいかず、時間がかかっている。
しばらくお待ちいただきたい。
ところで、こういったウェッブサービスをするのははじめてのことで、どうやって参加者を募れば良いのかも、理事長の守屋くんとともに、まったく手探り状態である。
たまたま、今朝、Mediumを見ていたら、ウェッブサービスを始めるときに、ユーザーをどのように獲得すればよいのかという記事があり、それがとてもわかりやすく示唆に富んでいた。
The four types of users you need to grow a community(コミュニティを育てるために必要な4つのタイプのユーザー)
筆者は、Danielle Gevaさんという方で、現在Volleyという招待制のオンラインコミュニティ(自分の問題を解決する「答え」ではなく「それができる人」を紹介する)のマーケティングを担当されているようだ。
筆者は、ユーザーを以下の4つのセグメントに分けている。
1.アーリーアダプター
2.ウェイトリスト
3.VIP
4.紹介
以下、彼女の記事やほかのソースから知ったことなども加えて、自分なりにまとめる。
「アーリーアダプター」とは、サービスをオープンしたときに最初に参加してくれる人たちのこと。どんなサービスを考えたにせよ、なるべく早くそのアイディアを公にして、助けてくれる人を探す。そして、友だちや知人に、参加してくれるように、面と向かって頼む。そのためには、ウェッブだけでなく、紙の媒体も用意しておいて、合う人合う人にそれを見せて直接頼む。SNSやメーリングリストでの発信も大事だが、リアルの世界でのコミニケーションの重要性を忘れないこと。
そして、もちろん、この人たちは、まだプロトタイプのサービスについて、さまざまな意見をくれる。さまざまなモバイル端末での見え方とか、不具合なども教えてくれる。この人たちは趣旨に賛同して参加してくれた人たちなので、サービスに多少問題があっても我慢強くその改善に手を貸してくれる。
「ウェイトリスト」とは、アーリーアダプターがある程度参加してくれたあと、プロトタイプのサービスをある程度完成したものにするために、新規ユーザーの登録をしばらく中止することがある。その間に、ウエイトリストに登録してくれる人たちのこと。そのリストが重要であることは自明であるが、ユーザーの急増ということもありうると考えられるのなら、新規ユーザーの受け入れの保留と、ウエイトリストの登録の仕組みを準備だけはしておく方が良い。
「VIP」とは、文字通り、その世界で影響力を持っている人、インフルエンサーの人たち。この人たちは忙しい。でも、気後れせずに、ユーザー登録や助けを真摯に求めたい。新しいサービスを始めるのは、たいてい、何も持たず、何の実績もなく、どこの誰だかわからない人なのだ。「あなたは誰?」「なぜあなた達がそんなことをやってるの?」という言葉を、きっと僕らも浴びせられるだろう。だけど、負けずに、ドアを叩いてみる。
もちろん、VIPは忙しい。メールではなく、きちんとした手紙を書くべきだろう。
「紹介」とは、既存のユーザーたちが、その知人などに勧めたり、SNSで紹介してくれたりして、その影響で新しくユーザーとなる人たちのことだ。サービスが成長を始めたら、もちろん、この「紹介」がコミュニティ成長のもっとも大きな原動力となる。SNSフレンドリーなサイト、モバイルフレンドリーなサイトにしておくことは、必須だ。
僕はこの記事を読み、こうしてまとめてみて、かなりアタマの中が整理できた。
あなたのお役にもたてたら嬉しい。