ドラッグ中毒のホームレスが証明した本の力
本が人の人生を変える力をもっていることを否定する人はいないだろう。
だけど、今朝知ったこの話は、あまりにそれが現実的なもので、感心してしまった。
南アフリカ、ヨハネスブルグに住む24才のフィラニ(Philani)さん。子供のころから本が好きだったが、街に出てきて仕事を始めると、ドラッグ中毒になってしまう。
仕事も住む場所も失い、路上生活者となる。
多くの路上生活者がただ物乞いをして暮らしているのを見て、フィラニさんはもう少し違うことができるのではないかと考えた。
彼は路上で古本を売ることを始めたのである。
しかも、自分で読んだ本だけを売る。
それを、7段階に評価して、その内容を詳しく伝えながら売るのである。
価格は定価とは関係なく、その評価によって決める。
最低が10ランド(約1ドル)、最高が80ランド(約6ドル)である。
こちらに、現在彼が評価して販売している(在庫がないかもしれなが)本のリストがある。現在、マンデラ氏の本などが最高の80ランド評価をつけられている。
彼はPavement Bookwarm(路上の本の虫)と有名になり、本が売れるようになった。
そうやって自身が読んだ啓発本などの影響を受け、ドラッグもやめることができた。
彼は手にした現金を、自分のためだけに使わず、路上生活者の仲間に食べるものなどを買うことにも費やした。
やがて、彼は小さな部屋を借りることができるようになり、路上生活はやめた。
残念ながら、路上生活の仲間は彼が路上から去ったことに怒り、仲間に食べるものを提供する活動はうまくいかなくなった。
その後、彼は、子供のための読書クラブを立ち上げた。
両親の帰宅を待つ子どもたちを集め、本を一緒に読み、将来のことや夢を語るのである。
多くの子どもたちが貧困にあえぎ、学校を卒業すると、自分のようにアルコールやドラッグ中毒になり、犯罪に走る。
その現状を少しでも変えていきたいのだと彼は言う。
現在12才から28才までの子供26人が参加している。
*彼のホームページはこちら(英語)