ゴールデンゲートブリッジから飛び込んだ男性の命を救ったのはアシカだった
僕らはこの世界のことをどの程度知っているのだろうか。
なんとなく、僕らは自分のいるこの世界のことを知り尽くしているような気になるのだが、もちろん、少し頭を巡らせてみると知らないことだらけであることに気づく。
そして、やっぱりこの世界はひどく残酷な救いのないところだなと思うこともあるし、ひょっとして神様はいるのかもと思う時もある。
さて、今朝、こんな素敵なニュースをみつけた。
San Francisco bridge jumper says sea lion saved him サンフランシスコの橋から飛び込んだ男性をアシカが救った (The Telegraph)
記事によると、Kevin Hinesさんは2000年にうつ病が昂じてサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジから飛び込み自殺を試みた。
彼は背中に怪我をおったものの、99%の人が死亡するという激しい着水の衝撃を生きのびた。
そのまま溺れて死んでしまいそうな時、何かが彼の周りを泳ぎ、彼に体当たりして、彼を水面に押し上げたという。
彼はそれがサメだと思い、足を食いちぎられるのではとパニックになった。
だが、それはアシカだった。
そのアシカは救急のボートが来るまでの間、そうやって彼を水面に押し上げ続けたという。
それを橋の上から多くの人が目撃していたというから、彼の幻想ではない。
彼は現在、その体験を、うつ病などのメンタルイルネスに悩まされているティーンエイジャーたちのいくつかの集まりで語っているそうだ。
いったい、そのアシカはなぜそんなことをしたのだろうか?
彼のことを仲間のアシカと間違えた?
それとも、アシカには生き物に対する愛がある?
あるいは、そのアシカは以前、人間に助けられたことがある?
コンラート・ローレンツ博士が存命なら、ぜひ、そのアシカの行動を解説してもらいたいものだ。
まあ、しかし、この世の中も案外捨てたものではないという気にはなる。
きっと、その謎は僕が生きている間に明らかになることはないだろう。
仕方がない、あの世に行ってから、ローレンツ博士を探して訊ねてみることにするか。
photo by Sequoia Hughes