ライフスタイル・ビジネスとはなにか
アメリカには、「ライフスタイル・ビジネス」という面白い言葉がある。
Wikiによると、ライフスタイル・ビジネスとは、自分のライフスタイルを維持するために、創業者がある一定の収入や基盤をそのビジネスによって得ることを目的として行うもので、それ以上の規模を求めないものである。
たとえば、自分のブランドのサーフボードをつくってネットで販売する。人気になってオーダーが積み上がっても、午後になればそれをおいて、サーフィンに行く、というようなライフスタイルであり、ビジネスの形態である。
もちろん、そのスタイルは、本流の起業家からは、ある意味軽蔑の視線を向けられるようだ。
本流とは、1.最高のアイディアで、2.資金をベンチャーキャピタルからひっぱってきて、3.最高の仲間を集めて、4.死に物狂いでプロダクトやサービスを作り出し、5.それで世界を変えて最大限の人を幸せにし、6.上場して自分も仲間も称賛と富を得るもの、そういう明確な一本道である。
本流から起業家からライフスタイル・ビジネスをしている人たちを見ると、こんな風に見える。
・世界を変えようという大きな野心がなく小さく固まっている
・リスクをとる覚悟がないチキンである
・怠け者である
・早い話が、お話にならない小物である
たとえば、ある時知り合った人がブログにこんなことを書いていた。
自社のサービスを大きくしていこうとすると、誰かに任さざるをえない部分が大きくなるので、からなず、サービスの質が低下する。できる人はそうであっても、システム化してスタッフに任せていき、ビジネスを大きくしていくことができる。できない人はいつまでもサービスの質にこだわって自分で手を下すので、ビジネスを大きくすることができない。
はじめての人に会った時、それができる人かできない人かを見極めることにしている。
そうか、あの人はその基準で、僕をできない人に分類したんだな、と思った。頼まれて一緒にご飯を食べたあとまったく音沙汰がない理由がわかった。
僕のこの話は、ライフスタイル・ビジネスの話とは少し違うところもあって、それは、
目先のお客様に行っているサービスの質を落としてもビジネスのスケールをスピード感をもって拡大したいのか、それともサービスの質を落とさずに量的拡大ができる方法をたとえ時間がかかっても模索したいのか
という点だ。*1
僕はたしかに臆病なところがあるけれど、後者のやり方をしたいと思っており、それは、自分の生き様というか変えられない部分でもある。
結果的に、僕は良い波は絶対逃したくないというサーファーではないけれど、自分の仕事のスタイルや信条を貫きたい、それをスケールすることや富・名声の追求よりも重視するという点で、僕のビジネスもライフスタイル・ビジネスなのかもしれない。
ライフスタイル・ビジネスという言い方とコンセプトはすこし極端過ぎるきらいがあるけれど、世の中の多くのビジネスオーナーは、濃淡の差はあっても、ある意味、ライフスタイル・ビジネスをやっているのではないかと思う。
その割には、本流の起業家スタイルの道を目指さないものは、ダメという声ばかり大きいような気はする。
ちょうど、そんなことをいつも考えていたら、Mediumで素晴らしい記事に出会って、翻訳したのだけど、翻訳が悪いのか、ぜんぜん読まれない。
この話題に興味のある方は、ぜひ読んでみて。
photo by jose.rebollar
*1:この部分舌足らずなので、馬鹿なこと書いてると思うひとは、上に貼ったMediumのリンク先のイネナウトバーガーの話を読んでみてくださいね