SNSで有名になること ≠ サクセス
最近はビジネスのSNS活用についてことさらに強調されている気がしないでもない。その流れに思考を任せていると、とにかくSNS上で有名になることが自分のビジネスの成功に直結すると考えてしまう。
しかし、冷静に考えてみると、ふたつの道があることに気がつく。
1.ブログを書いたり、Twitterで面白いことを呟いて、フォロアーや読者を増やす。その方々に、なにかを買ってもらう。
2.自分しかできない特別なものをつくったり、サービスを提供する。
さて、1の場合、簡単に言うと、とにかく先に有名になるということだ。有名になりさえすれば、どこにでもあるものでも、自分から買ってくれる可能性が高くなる。
2の場合は、自分しかできないこと、自分が最も得意なことを磨きに磨き、それを少数のお客様、あるいは、向こうから探してきてくれるようなお客様に提供する。SNSなどで有名になることは必要ではない。
どちらもある程度の時間がかかる。
1の場合は、ブログを書いたり呟いたりする時間が相当かかる。またそのため、自分ができるサービスを磨いたり、売る工夫をしたりすることに充分な時間をかけることができなくなる。
またSNSである程度有名になっても、有名でい続けるための努力が必要となる。SNSで有名でい続けるというのは、普通の人にとっては、苛烈な消耗戦である。それが好きな人、その辛さを甘受できる人にしか向かない。
2の場合は、自分しかできない、ほとんどの人よりうまく出来る、あるいは、自分しかつくることができないようなものを作れるようになるまでに、時間がかかる。ひょっとしたら、長い年月をかけた自分のスキルのすべてを組み合わせなければならないかもしれない。
それを確立さえすれば、たとえば、ウェッブショップはごく簡単なもので良いし、SNSで有名になる必要もない。お客様は向こうから自分を探してやってきてくれる。
時間はそのサービスやプロダクトをさらに磨くことにかけることができるから、仕事そのものがうまくアップグレードしていくだろう。
なんどか紹介したドマケンさんの場合は、2の典型である。
ドマケンさんはSNS上の有名人ではないけれど、自らのオリジナル商品を自社のシンプルなウェッブショップで販売されており、充分な報酬と自由なライフスタイルを手に入れておられる。
さて、さまざまな考え方があり、向き不向きもあろう。
また、自分のサービスや商品のオリジナル性などは、程度問題でもあり、SNSやブログがある程度の力を発揮するのは間違いのないことだろう。
ただし、僕自身は、最近、さまざまなものを読んで影響を受けたおかげで、若干、1に振りすぎていたような気がするのだ。
たとえば・・・
読者をつくるのが先。読者がたくさんいれば、作品をつくるのは後でも良い。
ついそう考えてしまいそうになる。
しかし、それはやはり、本流ではないと思う。
よい小説を書きたいなら、ブログの更新にとらわれず、小説を書くべきだ。
ブログを頑張って見込み読者をたくさんつくったところで、書いた小説がくだらなければ意味が無い。
ほんとうに良い小説なら、きっと、ほかにも世に出す方法があるはずである。
良い作品が先、読者をつくるのは後。
いつの時代も、きっと、それが本流だ。
photo by Matt Clark