ICHIROYAのブログ

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ヒロさん、辛坊さん、ご苦労さまでした! エールを贈ります!

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by wili_hybrid

 

辛坊治郎さんとヒロさんの冒険が、あんな結末で終わったことは残念だ。
そして、やれ、無謀だったの、自費で救助費用を払えだの、某テレビ番組の仕込みだただの、日本人ならではの、総攻撃が、これまた、それ以上に残念だ。

僕は、無謀な冒険だったとも思わない。
船体に水漏れがあったのに、完璧な修理をしなかったなどとも言われているが、どんな冒険だって、隅から隅まで完璧を期すことなんてできない。
某テレビ番組の仕込みだとか、期日を合わせたとか言っても、だからなんだっていうのか。
今回の冒険のように、それなりに振りかぶったら、何かが付随するかもしれず、だからといって、その冒険そのものが無価値になるはずがない。

そもそも、ヒロさんって凄い
視力を失っても、超前向きで、英語を学ぶ、アメリカに留学する、公務員の職を投げうってアメリカに渡り、鍼灸院をはじめる、奥さんの手引きでヨットを学びはじめ、被災地にエールを贈るため、視覚障がい者に勇気を与えるため、太平洋横断の企画に応募する。
その企画に、ヨットでの世界一周が夢だった、辛坊さんがのって、冒険が始まる。(経緯はこちら

そして、はっきり言うけど、僕は辛坊さんのファンだ。
毎朝、「す・またん!」を見ているし、本も2,3冊は読んだ。
最初見た時は、いったい、このナマイキなおっさん、誰?と思った。
でも、言うことがいちいち納得できるので、だんだんファンになってきた。

辛坊さんへのネット上の批判は、辛坊さんが何事にも「自己責任」を主張し、弱者に厳しい、というところにあるようだ。
僕は、その発言がどんな文脈でいつ言われたものかわからないので、その点について、意見をもたない。
だけど、「経済について、不勉強だ」という意見には、賛成しない。有力な学者の間でも割れている「日本の財政が破綻するかどうか」などということに、一方の意見だからといって、不勉強・不見識であるなどと言えるものだろうか。
さらに、ナベツネ氏のカイライである、などという声もある。
でも、なぜそうならば、彼は、今も、原子力に頼る日本のありかたに、こうも激しく異を唱えるのだろうか。

僕は、辛坊さんは、ジャーナリストに必要な、反骨精神をたっぷりともった、素晴らしいオトコだな、と思っているのだ。

冒険は、失敗だった。
まったく、残念だ。
だけど、そもそも、ふたりが成し遂げようとしたこと、ふたりのココロザシは、ちっとも間違っていない。



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今朝調べてみたら、全盲のヨットマンの冒険というのは、いくつかある。
たとえば、ロスアンゼルスからハワイへの航海にはアメリカ人が成功しているようだし、もっとも凄いと思われるのは、南アフリカのダーバン(地図A)から、オーストラリアのフリーマントル(地図B)への、インド洋横断だ。
1998年に達成されたこの航海は、何が凄いといって、最後の入港時を除き、たったひとりで、すべてを機器に耳をすますことで達成されたことだ。
この冒険への出発のとき、家族や友達や専門家は、揃って、「自殺行為(Suicide Mission)」と言って反対したという。

冒険は、生死の危険を伴う。
どこまでのリスクをとるか、ということが、いつも問題になる。
世間様、とくに、日本の世間様は、失敗した冒険には、必ず、こう言って非難する。
リスクが大きすぎる、無謀なだけだ。
もしくは、
リスクが小さすぎる、ビジネスクラスのツアーみたいなものだ。

ともかく、ヒロさん、辛坊さん。
お二人の失敗は残念でしたけど、生還できてほっとしています。

ちょっと、一息ついたら、また、それぞれの挑戦を再開してくださいね!
いつでも、応援しています!