ICHIROYAのブログ

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振袖とは、蚕さん400頭の命をまとう贅沢~~着物の絹の再利用の画期的なアイディア求む!

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by Gianluigi Bertin


「振袖1着をつくるのには、◯◯頭の蚕さんの命を頂いている」というコメントを以前いただいたことがあり、気になっていた。
在庫の振袖で調べてみたら、おおよそ、400頭(正式には「頭」と数えるようだ)だ。

うちの振袖の重さは、だいたい1kg前後。
ひとつの繭は2~3g。平均、2.5gとすれば、1kg÷2.5g=400頭となる。

ご存知のように、蛹になった繭は、茹でて殺す。
生かしておくと、成虫になって、繭を破って出てくるので、1本の長い糸をとるためには、そうせざるをえない。
信じられないことに、繭は、たった1本の途切れのない糸からできており、平均すると1200mある、という。

ともかく、振袖などは、400頭もの蚕さんが1.2kmに渡って長い長い糸を吐き出したものを頂戴して、できているのだ。


衣類の中でも、着物はリサイクルが進んでいる。
僕らのような古着商に渡って、再度、着物として活躍する場合もあるし、人形やバッグなどの材料になる場合もあれば、切り裂いて織物として再利用される場合もある(裂織)。

だけど、それでも、僕らの目前で、経済的にはリサイクルに向かないものが、大量に廃棄焼却されているのが現状だ。
着用はできなくても、なんでも手芸材料として利用されると思われがちだけど、そんなことはぜんぜんない。
手芸材料に向くのは、主に小柄の華やかなもので、大柄の地味ものは、需要より供給の方が格段に多く、保管料がでないので、有料でも焼却に回してしまっている。
だから、たとえば、古い着物から服や小物をつくって販売するNPOなどには、大量の材料に向かない着物が寄贈されて、にっちもさっちもいかない、などということがおきている。

廃棄するたびに、思う。
この絹を再利用する画期的な方法はないのか、と。
こうやって調べてみたら、すでに汚れて役目を終えたとはいえ、それぞれの着物は300頭~400頭の蚕さんの命と引き換えに得られたものだ。
できることなら、最後の最後まで、利用したい、と強く思う。

とにかく、地味な絹の着物は、大量に出て、めちゃくちゃ、安い。
どなたが、その使い方に、画期的なアイディアを出してくだされば、素晴らしい事業になる。
社会的に意義があるだけでなく、大きな利潤も生むだろう。
なにか、良いアイディアはないものだろうか?
ひょっとすると、異分野の技術と結びつけたら、突破口が開けるかもしれない。
そもそも絹はタンパク質だし、利用価値は大いにあるはずだ。

たとえば、こんなこと・・・


*食用にする

リサイクル以外では、実用化ずみ。古い着物を食用にするためには、染料・顔料を取り除く必要がある。それに必要な技術がすでにあるのかどうか、わからない。
食用にできたら、「おみやげもの」や「災害用保存食」などとして使えそうだ。

*肥料・飼料にする

魚粉・骨粉が肥料に使えるなら、着物だって肥料になるかもしれないし、人間さまの食糧には難しくても、家畜の飼料や、ドッグフードにならなるかもしれない。

*紙にする

たとえば、細かく切って、それを名刺やカードにすればどうだろうか。
布を何か台紙の上に貼るのではなく、そのまま紙のように硬くすることができれば、そいう使い方ができそうだ。


ああ、だめだ、頭が硬い。

どなたか、いい考え、ありませんか?!

(Wikiやこちらのページを参考にさせていただきました)