一切の妥協なく、好きで好きで仕方がないものを、買うとき。 それは、今でしょ!
どうせ買うなら、値下がりしないものが欲しいと思うのは人情だ。
だけど、世間様は冷酷で、家でも車でも買った瞬間から、たとえ、まだ、触れさえもしていなくても、モノの価値は急落していく。
せめて、買った時の値段で、売れたらなあ、と思うのだが、そんなことはありえない。
買ったものの値下がりが嫌なら、中古で買って、なるべく丁寧に使うしかない。
が、しかし、世の中には、賢いひとがいるもので、新築のマンションを買っても、値下がりしないどころか、中古相場が、買った時の値段を上回るひともいる。
たとえば、車。
上の写真は、車好きなら誰でも知っているTOYOTA2000GTという車だが、1967年から1970年に限定販売されたものだ。
当時の価格で、238万円。337台が生産され、国内外に販売された。
たまたま、知人のお父様がこの車を所有している。
さて、この車を、当時に買って、丁寧にオーバーホールしながら乗っていたら、今、いくらで売れるだろうか。
取引数が少ないので、相場というものはないかもしれない。
だが、先月、アメリカのオークションで、なんと、1億1800万円で落札されたという。
約50倍だ。
仮に、238万円を投資し、毎年5%のリターンを得続け、それを再投資していくと、いくらになるかといえば、1675万円(40年)で、メンテナンスの経費をみたとしても、一般的な投資より、相当割のいい投資であることがわかる。
そうなのだ。
ほんとうに良いもの、そして、それが限られた数しか提供されないものは、値下がりしない。
マンションでも、車でも、ほんとうに良いもの、最高のものを、選びに選んで買ったら、けっして値下がりすることはなく、逆に、一般的な投資をはるかに凌駕する資産価値をもつものとなるのだ。
まったく、もって、そんなことはわかっているのだ。
だけど、常人は、わかっちゃいるけど、適当なところで、妥協してしまう。
お金が足りなかったり、探す情熱が足りなかったり、たんに、思い切りが足りなくて。
たとえば、TOYOTA2000GTは、238万円とはいえ、当時の物価からすれば、相当なもので、クラウンの倍、大卒初任給の約10倍、現在の感覚では、1500万から2000万ほどもする、トンデモ価格だったという。(wiki参照)
明晰な頭脳で、至極論理的に考えて、2000GTを買うと決断するとする。
でも、配偶者の理解を得ることは、ほぼ、絶望的だろう。
貯金全部つぎ込むけど、将来、1億を超える資産となるんだ!
馬鹿!離婚じゃ!
となること必至である。
ああ、ともかく、結局、世の中は、とことん持てるものがさらに豊かになるような仕組みになっているようだ。
しかし・・・
そうやって、絶望している場合か?
世はアベノミクスで、インフレ間違いなし。
現物資産がいまほど、求められているときはないのではないか?!
でもね、結局のところ、わかっているのだ。
投資目的に、現物資産を買っても、神様はお見通しで、うまくいかない。
ただし、それが本当に好きで好きで仕方がないなら、一切の妥協なく、好きで好きで仕方がないのなら、そしてそれがその分野で最高のもので数がないものなら、今が買い時であるに違いない。
本当に好きなものなら、万一値下がりしても、それはそれを使っている間、それをそばに置いている間の至福の時間の対価として、ぜんぜん惜しくないではないか。
おまけに、資産価値の値上がりもついてきたら、ちょっと、ニッコリできるというものだ。
さあ、あなた、全財産はたいても、何を買いますか?