日本の顔文字が世界標準となる日
日本の顔文字が世界標準となる日は来るだろうか。
来て欲しい。
ご存知のように、英語圏の顔文字は、横倒しになっていて、顔を左に傾けて見ないと意味をなさない。
そもそも、その点、日本語の顔文字は縦向きなのでそのまま見れるし、バリエーションも、英語よりはるかに豊富である。
日本の顔文字はスゴイのである!
そのあまりの表現力豊かな日本の顔文字は、英語圏でも驚愕をもって見られており、日本の顔文字を紹介するサイトなども多数存在する。(例:Japanese Emoticons Net)
すでに、アニメマニアや、日本ファンのあいだでは、日本式の顔文字が、頻繁に使われており、一般のひとのあいだでも、日本式の縦書きのものも、従来の横書きのものに交えて使われるようになってきた、という。
英語圏の一般的な顔文字はこんなふうである。
そもそも、なぜ、これほど顔文字が違うのか、気になって調べてみた。
一番大きな理由は、英語が1バイトの文字であるのに比べ、日本語は2バイト以上あるマルチバイト文字で、文字種が豊富である、ということだ。
そのため、多様な表現が可能になっている。
が、そのために、残念ながら、欧米で使用されている普通のパソコンでは、日本の顔文字の多くは書くこともできなければ、読むこともできないのだ。
また、文化の違いに根ざしている部分もあるようだ。
日本の顔文字は目のバリエーションが多く、英語の絵文字はおもに口の形で感情を表現する。
ある実証実験によれば、日本人は目を、アメリカ人は口の形を、主な手がかりに相手の感情を判断しているという。
それが、顔文字のバリエーションに反映しているという。(Wiki参照)
英語の顔文字の歴史は、日本よりずっと古い。
この記事によれば、その萌芽はモールス信号に見ることができるし、(「73」は「Love & Kisses」の意味だったというが、?)、ウラジミール・ナボコフは、1969年のニューヨークタイムズのエッセイに、顔文字のことを書いているそうだ。
80年代には、テレタイプのオペレーターたちに広く使われていたようだ。
それが、パソコン、インターネットの時代に受け継がれてきた。
英語では、まず、目を書く。「:」とか「=」とか「X」とか。
そして、鼻を書いたり「-」、書かなかったりして、最後に、口を書く。
「 )」とか、「 D 」とか、「 P 」とかである。
で、「:P」は舌を出して喜んでいるところになる。
ちなみに、それをひっくり返すと「P:」となるが、これは悲しいことを意味するらしい。
「順序を入れ替え」てできる顔文字は、反対の意味があるそうだ。
たぶん、欧米人は、その思考の順序のまま、目、鼻、口と文字を順に打っているのではないか、と思う。
タイプライターの時代から、ウィンドウズ以前、以降、そしてネットの時代にいたるまで、みんなそんな風に、顔文字を使ってきたのだろう。
この伝統のチカラは大きい。
わざわざ顔を横にしなければならないにしても、慣れは、簡便性を凌駕するのだ。
そもそも、日本の顔文字は、一文字一文字うってつくれるようなものではなく、コピペを前提としている。
これはなかなか手間のかかることで、僕自身、せいぜい十数種類の文字しか使っておらず、それもソフトに登録して使っている。
いっぱんの欧米のひとが、そんな面倒くさいことをするのか、と思うと、やはりちょっと壁が高いような気がする。
しかし、かなり、縦書きの顔文字も一般的になってきた、というので、ためしにTwitterの英語から顔文字を拾ってみた。
ほとんどが、「 :) 」「 :-) 」「 :D 」 「 Xo 」で、わずかに、100個にひとつぐらいの頻度で、「 *o* 」や「 ( . Y . ) 」を見つけることができたに過ぎなかった。
たしかに、英語圏でも、日本式の顔文字は一部使われており、おそらく、多くの欧米人は、日本式の顔文字を見て、意味は理解している(欧米のお客様に確かめたところ、そうおっしゃっていた)。
が、自分もそれを使う。
また、顔文字は縦書きのものだけを使う。
そういう風に、日本の顔文字が世界標準となる日は、
残念ながら、
まだまだ、遠い先のことのようである。
*日本発で世界に広がったアスキーアート(この意味、今日まで知らなかった。がっくりと、ひざまづいている人を横から見たところだったのね~~オルズって何のことかなって思ってた~~)
(追記)
Twitterを見ているときに頻繁に、「 <3 」というのを見た。調べてみて、はじめて、ハートを右に横倒しにしたところとわかった。むかっ! なんで、これだけ、左倒しではなく、右倒しなんだよ!と思ったら、ちゃんと理由があった・・・ (自分で書いてみればわかります)