ICHIROYAのブログ

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背筋が凍る話(閲覧注意!)

 

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蜘蛛の祭り衣装

 


今日のブログは最後まで読むと、かならず、背筋に悪寒が走ります。
ご注意ください。

さて、海外、ヨーロッパ、アメリカなどのお客様は、日本人が「虫」に対して、かくも愛情を注ぐことを、とても不思議に思っておられるようです。
秋の虫は、着物や工芸品などによく使われるモチーフで、たとえば、夏の着物には、秋草と虫などを組み合わせた図柄がよく見られます。
ヨーロッパのお客様に、この虫は鈴虫で、こちらはコオロギ、鳴き声は、鈴虫とコオロギでは、こう違って、などと言っても、まったく、理解不能でしょうし、また、繊細な竹ひごの虫籠の模様を見ても、その中に虫を入れて、鳴き声を愛でる、などということは、想像可能な範囲の外であることは間違いありません。
やっぱり、日本人は、変、っていう結論になります。

でも、虫のなかでも、「蜘蛛」は別格で、海外でも、日本でも、中国でも、同じように格別な存在感を与えられているようですね。
スパイダーマンのイメージは、日本人からみても、あまり違和感がありません。
とんでもない身体能力で、飛び跳ねて、糸を吐き、害虫(敵)をとらえる。
写真は、幕末ごろにつくられた祭り衣装ですが、不気味でありながら、正義の味方、スパイダーマンのイメージと重なる素晴らしい意匠となっています。

ところで、蜘蛛の記事を書こうとしてWikiを見たら、興味深い内容満載で、ついつい、見入ってしまいました。少し紹介するだけでも・・

*8つの目を持ち、紫外線を見ることができる
*体に占める脳の容積は非常に大きく、中枢神経が容積の8割を占めて脚の中にまではみ出しているものもいる
*日本の大型の蜘蛛には、ツバメやシジュウカラを捕食するものもいる
*捕らえた獲物には、自分の消化液を注入して、液体にして飲む
*蜘蛛の巣の横糸は粘液がついていて、獲物に粘りつく。縦糸は粘液がついておらず、蜘蛛は縦糸の上を歩く。横糸は自分にも粘るつく。
*人間を殺すほどの毒をもつ蜘蛛はすくないが、どの蜘蛛も毒をもつ。
*子グモは糸を出し風にふかせて、タンポポの種子のように空を飛ぶ習性を持つ
*糸の強度は、同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍。鉛筆程度の太さの糸で作られた巣を用いれば、理論上は飛行機を受け止めることができる

どうです?
蜘蛛って、まったく凄いやつです。
また、糸は、昔から色々と利用されており、蜘蛛の糸で織った織物や、現代でも蚕に蜘蛛のDNAを組み込んでつくったスパイダーシルクの製品化などが試みられているようです。

そんな興味深い蜘蛛ですが、受験勉強をしていたある日のことです。

机の上に小さな小さな蜘蛛をみつけました。
退屈にまかせ、その蜘蛛を捕らえて、鉛筆の上を歩かせたり、ノートの上を歩かせて、その動きを鉛筆で描いたり、いまは思いだせない様々ないたずらをして、その蜘蛛と長い時間遊びました。
でも、若かったぼくは、すこし、その蜘蛛くんに、ひどいことをしたのでしょう、彼はやがて動かなくなってしまいました。
まだ遊び足らない僕は、ほかにもいないかな、と蜘蛛を探してみました。
すると、2匹、3匹と、机の上にみつけたので、彼らを捕らえ、押しピンのケースの牢獄に確保し、また、そのうちの一匹と遊び始めました。
残忍なローマの皇帝のように、僕は、次の蜘蛛を弄び(ああ、ほんとうに、ごめんなさい!)、つぎつぎに犠牲者を、ノートの上にひっぱりだしました。
皇帝はその遊びがよほど気にいったのでしょう、もう少し、犠牲者を確保しておきたくなり、机の周り、畳みの上など、丹念に自分の周りを探してみました。
すると、こっちに、2匹、あっちに、3匹と、結構いるではないですか。
皇帝は狂喜して、つぎつぎに犠牲者を捕らえました。
でも、ふと、不思議におもいます。
なぜ、こんなに、いるのかな?

そして、ふと天井を見上げて、天井の模様がいつもと違うことに気づきました。
椅子にのって、顔を近づけてみて、背筋に震えが走りました。
天井いっぱいに、何万という蜘蛛の子が、うごめいているではありませんか。

あわわ。
僕は慌てて殺虫剤をとりに走りました。
そして、民衆の蜂起に泡をくっているローマ皇帝さながら、キンチョールによる殺戮を命じました。
天井を毒ガスで満たしてやれ!
発射!

すると、白い煙で煙る天井から、何万の蜘蛛の子たちが、一斉に糸を伸ばして、僕の上に降りてきたのです!
霧雨のように、糸を引いて落ちてくる、幾万の蜘蛛。
毒ガスの霧のなかから、ぼくの髪にも、頬にも、手にも、首筋にも、肩にも、糸をひいた蜘蛛が、毒をもった牙をむいて、幾万と襲ってきたのです。

・・・・

ふふふ。
背筋凍りました?
蜘蛛は益虫です。大切にしましょう。