ICHIROYAのブログ

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イギリスの小さな町の巡査の葬列に6000人以上の人たちが集まった理由とは

 
 会社員なら会社の中の地位で上下をつける。
 起業家ならつくった企業の従業員数や売上高で上下をつける。
 物書きなら出版した本の部数で上下をつける。
 野球選手なら打率や勝数で上下をつける。
 警官なら階級で上下をつける。

 
 よかろう。
 そうしたければそうすればよい。

 どうしても数値で上下を決めたいのなら、人生の成否はいっそ葬式の参列者数で決めたらどうか。
 
 
Thousands line streets of town for memorial 'beat walk' in tribute to PC Andy Hocking | Daily Mail Online

 

 イギリスの小さな町ファルマスでアンディさんという巡査が非番の時に突然亡くなった。52才だった。
 彼の死を悼んで、彼の奥さんとふたりの娘さんが先頭に立って、彼の受け持ち地区で最後の巡回をすることになった。
 当初、2,3百人が集まるかと思われたその巡回の行列はみるみる膨らみ、最終的に6000人の人たちが彼に感謝するために集まった。
 上のリンクにその状況がわかる写真が多数あるのでぜひご覧いただければと思う。

 それほどの人を、自身の死にあたって集めるアンディさんという巡査がなにをしたのか、僕は興味深く記事を読んだ。
 少なくとも、世間の耳目を一心に集めるような業績があるわけではなかった。
 52才で巡査であるということは、警察という組織の中で出世して大きな影響力をもっていたというわけでもなさそうだった。

 彼のことをよく知る写真家が、彼のことをこう話している。
 

 彼はいつも素晴らしい人だった。ファルマスという町の素晴らしさを体現していたんだ。最高の仕事。いつも誰にでも笑顔で、でもやるべきことは、しっかりとやった。最上のやりかたで町の治安をコントロールしていた。彼は替えのきかない、この町の象徴だったんだ。みんな、彼がいなくなってとっても寂しい。       (上記リンクの記事より翻訳)

 
 
 人間の魂の高貴さを測るのは決してなにかの数値ではなく、上下もない。
 しかし、どうやら神様は、そんな当たり前のことを忘れがちな僕達に、たまにこうやって、僕らの好きな「数値」でそのことを思い知らせることがあるらしい。

 さあ、どうしても数値で人を測りたいなら、ぜひ、覚えておくといい。
 52才の巡査アンディさんの死を悼む行列には、6000人の人たちが参列した。
 一介の巡査であったアンディさんより「上」であることを証明したければ、あなたの葬式には6000人以上の参列者を集めなければならないのである。

 
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PS ブックマークコメント見ているとどうやら文章が悪く、意図が伝わっていないようなので、すこし、補足しておきます。言いたかったこと

(1)アンディさんの人生は素晴らしい
(2)アンディさんの例は、たまたまその素晴らしさが参列者の数に現れた
(3)でも、あくまでそれはアンディさんの例
(4)なにかの数値で人それぞれの人生を測ることはできない
(5)たとえば、誰かの犠牲になって命を落とした無名の人々もたくさん存在する
(6)アンディさんが素晴らしいからといって、葬式の参列者の数を指標に、上か下かなどと言ってみても始まらない

・・・ということを書いたつもりでしたが。言葉足らずでしたかねえ。