ワールドカップ開催のブラジルは世界一のアルミ缶リサイクル率!
ブラジルで行なわれているワールドカップの決勝戦はいよいよ7月14日だ。
開幕前は施設の工事の遅れなどが取り沙汰されて気をもまされたが、大過なく開催されているようでほっとした。
ところで、日本人サポーターがスタジアムのゴミを拾い話題になったが、このワールドカップ中に320トンものゴミが出ると推定されているそうだ。
しかし、あまり知られていないがブラジルは意外なことに「リサイクル大国」で、アルミニウム缶については98%ものリサイクル率を誇り世界一、食品パッケージに使われているPET(ポリエチレンテレフタラート)とプラスティックにおいても世界二位だそうだ。
それを知ったのは、こちらの「The Professionals What we can learn from Brazil's wastepickers(ザ・プロフェッショナル ブラジルのウエストピッカーから学べること)という記事だ。(以下Wiki参照部分をのぞいて記事からの要約)
Wikiによれば、「ウエスト・ピッカー」とは廃棄物の最終処分場などの処分施設で有価物を収集する個人事業者。
一般的に発展途上国などの廃棄物収集は、分別収集を行わないまま郊外の処分場へ運搬し、投棄積み上げ が一般的である。このため、廃棄物の中に金属類や古紙などの有価物も相当程度含まれており、特段の技術や経験を用いずに有価物を回収、売却し僅かながらの利益を得ることが可能である。このため、貧困層や地方出身者、若年者などがウェイスト・ピッカーを生業とするケースが多い (wikiより)
貧困と不衛生な労働の見本のようなウエスト・ピッカーの仕事だけれど、現状、途上国ではリサイクルに不可欠な仕事である。
また、都市部に住むウエスト・ピッカーたちは街路で修理可能なものやリサイクルできるものを集めるため、市民から敵視されることもある。
ブラジルでは、1980年にサンパウロで、カソリック教会の助けによって「紙回収業者組合」(Association of Paper Pickers)が結成され、紙回収業者の権利と正当性の認識を求めた。9年後に公道で紙を集める権利を主張したことで注目を集め、ブラジル各地で同様の団体が結成された。
2001年には、ブラジル政府は廃品回収をオフィシャルに職業と認め、最大の団体「National Movement for Collectors of Recyclables (MNCR)」が設立された。結果、多くのウエスト・ピッカーたちが最低賃金以上に稼げるようになったという。
現在では1100の組合があり40万人から60万人の労働者が加入しているという。
そして、そのムーブメントはエジプトやインド、ニューヨークなどに派生している。*1
世界の貧困を深く憂う第266代ローマ教皇フランシスコ氏も、「彼らは'garbege collector'(ゴミ収集者)ではなく、”リサイクラー”だ」と述べて、このようにおっしゃっているそうだ。
“In this day and age we don’t have the luxury of disregarding leftovers. We are living in a throwaway culture where we not only easily disregard things, but people as well,”
現代は、食べ残しが許されるような豊かな世界ではない。(残念ながら)私たちは簡単にものを捨てるだけでなく、人々をも使い捨てするようなカルチャーの中に生きているのである。
(以上 記事要約)
いい記事だけど、この記事を書いたのはいったい誰かなと思い、筆者のKyle Wiensさんのことを調べてみた。
Twitterのプロフィールによると「Right to repiar activist(修理の権利の活動家)でiFixit, DozukiのCEO」とある。
彼の「iFixit」というサイトを見てびっくりした。
さまざまなものを修理する方法がたくさん集められている。椅子や衣服のような簡単なものではなく、iPhoneとかデジカメとか車とかの電気機器の修理方法だ。
そして、このサイトがいいなと思ったのは、それだけでなく、修理のための部品や道具を販売するサイトでもあり、販売で収益を上げることができそうな点だ。*2
上の紹介した記事を読んでもわかるが、Kyleさんの意図は、「ものを使い捨てせずに、もっと自分で楽しんで修理して、長く使おうよ」ということであり、それが彼の強烈なパッションであることがわかる。
とくに素晴らしいと思うのは、それが理念だけで終わっておらず、販売と組み合わせることでさらに読者の利便性を図り、彼のパッションを持続可能にする収益も上げていることだ。
「未来は修理を必要としている!」は修理のための新素材Sugruをつくったジェーンさんのモットーだけど、たしかに、世界は修理が必要で、そのように思っている人たちがあちこちでこんな活動をされているのだなと思うと、今朝は、なんだか明るい気分になれた。
photo by denvie balidoy