Twitterのフォロアー4000人を買ってみた実験の結果が面白い(アメリカ)
有名人でもないのに、やたらにTwitterのフォロアー が多い人やフェイスブックのフレンド数が多い人をみると、ちょっと、胡散臭いなと感じてしまうのは僕だけではないだろう。
しかし、そういったSNS上で露出の多い人、アカウントにはそれなりのメリットがある。たとえば、Klout(クラウト)というソーシャルメディア上での影響力を図る指標はBingの検索結果に影響するそうだ。
検索結果に影響するということは、とりもなおさず当人のビジネスにメリットを与える。
では、どうすれば、Twitterのフォロアーが増えるのか。
多くの人がそのことについて書いているし、以前からフォロアーを増やすアプリやソフトというものは出回っていた。
しかし、最近、フォロアーが買えるようになってきたようだ。
もちろん、Twitterの規約違反で、アカウントの凍結もありうる。
いま知ったのだが、キングコングの西野さんが3万人のフォロアーをヤフオクで買って、非難が殺到し謝罪したそうだ。
タイトルを読んだときには、なぜ彼ほどの有名人がわざわざ買わなければならなかったのかわからなかったが、記事を読んで納得した。彼はそうやってまでフォロアーを増やしたかったわけではなく、「フォロアーを買う」ということがどんなことなのか、どんな影響があるのか知りたくて、実験のつもりでそうしたのだった。
たまたま、今朝、彼のしたかったことを実際にやってみたデーターサイエンティストGilad Lotan氏の記事をMediumでみつけた。
西野さんの知りたかったであろうことが、そこにすべて述べられており、とても興味深かった。
長い記事なので、要点のみを訳出して紹介する。
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(Fake) friends with (Real) benefits(偽の友達のリアルな効果)
*アメリカでは1フォロアー5ドル程度までで販売しているサイトがたくさんある
*2600人のフォロアーのいる自分が、フォロアーを買ったらどうなるか実験してみた
*4000人のフォロアーを買った
*約束どおり、フォロアーの数はまたたくまに4000人増えた
*その4000人のフォロアーを見に行くと、一目ではフェイク(実態のないアカウント)とはわからないようになっていた
*だが、仔細にみると「フォロー数が、フォロアー数に比べて格段に多い (2000と10とか)」、本などから自動的に呟いていると思えるようなツィートである、などの特徴があった
*そのフェイクのフォロアーがフォローしている人は、彼と同様にフォロアーを買った人とみなすことができる
*そういう人たちは、DJ、ミュージシャン、ファッションデザイナー、政治家、不動産業者、銀行、マーケッター、ビジネスコーチ、ブランドなどであった
*職業柄そういった人たちはフォロアーが多いことを見せなければならないのだろう
*フェイクのフォロアーが増えたことで、Kloutのスコアが上がり、Bingの検索結果に良い影響があった。
*もっとも大きな効果は、フォロアーがそれまでになく増え始めたことだ。2,3か月するとフェイクのフォロアーはいくらか減っていったが、フォロアー数の増え方は以前より格段に多くなった(現在の彼のフォロアー数は13504 2014/7/5現在)
*フォローが多いことで、信頼感が増して、よりフォロアーが増えるというサイクルがある
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さて、彼のこの記事の結論は、
フォロアーを買えと勧めているわけではない。実際、それは不誠実だという思いを禁じ得ない。だが、ある程度のボリュームのフォロアーをもつことは、書くのも嫌なことなのだけど、長い期間で見れば成長と露出を加速するために一定の効果があるかもしれないのである。
と結ばれている。
なるほど、一定の効果はあるのだろう。
だけど「それなら買ってみよう」と、くれぐれも思うなかれ。
それは劇薬で、いったん口にしたら最後、いつまでもその痕跡は消せない。
永遠に、フェイクアカウントのフォローをこちらからはずしてもらうことはできないのである。
いつか誰かが、業者が設定したフェイクアカウントの一覧をつくり、それをもとに、その「魅惑の劇薬」を口にしてしまった人たちのリストが白日の下にさらされる日が来るだろう。
photo by picjumbo