●ICHIROYAニュースレター 第76号● 2017/6/9
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●ICHIROYAニュースレター 第76号● 2017/6/9
サイトURL http://japan.ichiroya.com/
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#331946 リサイクル 着物 大島紬
牡丹文 ひとえ カタス式7マルキ 7,850円
こんにちは、アンティーク・リサイクル着物イチロウヤのスタッフ鉄本です。
突然ですが、皆様お着物のお手入れはどうされていますか?
クリーニングに出しておられる方がほとんどかと思います。私もそうです。
もちろん化繊や木綿、麻のお着物は、自宅でザブザブ洗っていますが、正絹となると、、、。
しかし!心のどこかでは「絹も自分で洗えたら、、、。」と思っておりました。
この度、満を持して、「自宅で正絹着物洗い」に挑戦してみました!
では、実験的ニュースレターにお付き合いください!
まず、ネットや本などで「家庭で着物洗い」について調べてみました。
正絹を洗う上で、一番怖いのが「収縮」です。
お召や縮緬など、糸に撚りがかかっているものは、水にくぐらせると、恐ろしく縮んでしまうようなので、
「一生自分では洗うまい!」と固く心に誓っています。
「収縮」にはもう一つの要素があります。表地と裏地の収縮率の違いです。
たまに、「裾が袋になっている」お着物があります。
要は、表地と裏地の収縮率の違いから、裾にたるみが出てしまうということです。
ということで、袷もちょっと自分で洗うには危険な臭いがするので、諦めます。
リサーチの結果、大島は生糸な上に、製作過程で何度も水にくぐらせているので、縮む要素が無い!
というところに辿り着きました。これは、納得です!
しかも!単衣だったら、表地と裏地の収縮率も気にすることなく洗えるのではないか?そうに違いない!
ということで、イチロウヤで単衣の白大島をポチッとしました。
http://japan.ichiroya.com/item/list2/331946/
ところどころシミや変色はあるものの、細かいことを気にしない私としては、普段着として十分着用可能として、
着倒しました。自分でもお気に入りですし、周囲からもなかなか好評で、この先長く着ようと決意した次第です。
憧れの白大島がこのお値段で?!ということで、流行りのファストファッションの100万倍はコストパフォーマンスが
いいな~と自社自賛でございます(笑)
さて、いよいよクリーニングタイムです!始めての正絹着物のお手入れに、緊張しつつも興奮を隠し切れません。
1)離れて見ると本当に薄っすらなシミなので、見逃さないように、汚れの部分を赤い糸でザックリ囲み、
目印とします。
2) 商品ページに寸法はあるのですが、一応、自分でも採寸しました。
3) バスタブに水を張ります。
4) シャンプーを水に溶かします。
絹は、タンパク質なので、毛髪と同じ成分です。
ではシャンプーで洗えばいいではないか!という発想です。愛用のオーガニックシャンプーで洗うことにしました。
オーガニックシャンプーである必要はないのでしょうが、気分的にはお着物にも優しい気がして、家で絹物を洗う重圧と緊張感から少し解き放たれる気がします。
5) いよいよシャンプー水に白大島を浸けます!ざっぶ~ん!
6) こすったり、強くもみ洗いするのはNGなので、押し洗いします。赤糸で囲んだシミ(アク?)部分は、念入りに
グイグイ押します。何十回、何百回押したでしょうか?「キレイにな~れ、キレイにな~れ!」と唱えながら。
もはや、この時点では「自宅で正絹着物洗濯ハイ」のような、トランス状態に陥り、半笑いでただただ水の中の着物を押し続けるという、傍から見たら可笑しなことになっていたと思います。
7) ひとしきり押し洗いをし、ハッ!と我に返ると、バスタブの中の水は薄っすら汚れている気がしました。
白大島を小さく畳み、これまた強く押して水切りします。
水の色を洗い前後で比べると、洗い後のものは、少し黒ずんでませんか?
8) まだまだびしょ濡れの白大島を手にお風呂場を後にします。
バスタオルの間に白大島を挟み、その上を満遍なく踏んで脱水します。母が昔よくこうしてたのを
思い出します。母の踏み技は凄く、下手なアイロン掛けしたものよりもピシッ!と仕上がったものです。
9) 水が滴ることはなくなった状態の白大島を数時間日陰干しします。
10) 半乾きの状態で取り込み、アイロンを掛けます。
あて布をし、絹物用の温度でアイロンを当てていきます。(アイロンの表示が英語とスペイン語なのは、アメリカ在住時代
に使っていたものを、そのまま使っているからです。ご了承ください。)
しかし!この温度では、ほぼシワが伸びることはなく、徐々に温度を上げていきます。ここでも、「もはや怖いもの無し!」の
状態ですので、アイロンの温度を上げることに躊躇はありません!だって、シワが伸びなければ意味ないですから!
木綿用の温度まで上げて全体のシワを伸ばし、衿など布が重なっている部分に関しては、最高温度まで上げてみました。
最終的に、ほぼすべてのシワはなくなりました。
私のアイロン技術がもう少し高かったら、全てのシワを伸ばすことができたかもしれません。
おっと、採寸を忘れてはなりません。もろもろ測ったところ、全く縮んでいませんでした!
風合いに関しては、プロのアイロン掛けならもう少しパリッとしたかな?と思いますが、少し柔らかくなったかな?程度で
大きな風合いの損ないは感じません。
11) シミ(アク?)のビフォー、アフターを比較してみました。
いかがでしょうか?
私個人の意見としては、それほど劇的に「汚れが落ちた!」とは感じません。多少ましになったかもしれません。
シミも、古いものはプロでも落とすことが出来ないので、そう簡単に自宅で落ちることはないのかな?という印象です。一つ出来たとすれば、シミ部分はシミ取り洗剤でもう少し入念に予洗いすれば良かったかと思います。
あと、シャンプーより、絹物用洗剤の方が良かったかな?とも、、、。
しかしながら、仕上がりには自己満足しております。
私が着用したことで付いたホコリや汗などは洗い流せて、さっぱりしたのではないかと確信しています。
そして、何より、「自分で正絹着物を洗えるんだ!」ということを証明できたこと自体への達成感でいっぱいです!
以上、正絹着物洗濯報告となります。普段着のお着物で洗い体験をされるのも、和装ライフにとっては大事なことかもしれないと、
今回の経験から感じました。皆さんもいかがですか?ただし、ご自分の責任でお試しください。(笑)
元は英文(海外のお客様へのニュースレター)でした。
英語でお読みになりたい方はこちらでどうぞ: