お金をかけずに世界に飛び出すさまざまな方法
photo by Maurizio
僕は大学に5年もいったくせに、体育会のクラブとバイトに明け暮れて、あまり旅をしなかった。仲のよかったI君は山岳部で、ヒマラヤへの遠征もこなしており、彼の探検家ぶりがとてもまぶしかった。彼に感化されて、京都から札幌までヒッチハイクで往復したことが唯一の思い出で、世界を見に行きたいという思いはくすぶったままだった。
結局、会社に勤めて2年目か3年目に、目一杯休みをとり、嫁と生まれたばかりの長女を残して、インドへひとり旅をした。その時にその旅をやっておかなければ、もう一生できないと思い、ちょっと、悲壮な思いで、生まれてはじめての海外旅行に出かけたものだ。
まだ、携帯電話もインターネットもない時代だった。
インドのプーリーという海辺のリゾートの村で、カフェに入ったら旅人用のノートが置いてあり、そこにアルバイトで知り合ったWくんのメッセージをみつけ、仰天した。
そういえば、目をキラキラさせて、世界放浪に出たいので資金を貯めていると言っていた。どうやら彼は、その目的を達成して、そのときもすでに世界のどこかを歩いているようだった。
あの元気のよかった、誰からも好かれるWくんは、いま、どこで何をしているだろう。
それはすでに30年も昔のことだ。
いまの若いひとは、昔よりも、留学にいく人も多いし、どんどん世界に飛び出している。
How I Traveled Across Continents With No Job and No Money for Years
(仕事もお金もなしにどうやって何年も世界を旅したか)
という記事に、お金をかけずに世界を旅する方法が書かれていて、僕が知らなかったさまざまな方法があることを知った。
以前、豪華客船で働くことで世界を旅したひとの話を紹介したが、どうやら今ではほかにもさまざまな方法があるようだ。
そのページにあげられている5つの方法を下に書いた。
敷居の高そうなものもあるし、そうでないものもある。日本国内でも、町おこし、村おこしのためにさまざまなプロジェクトがすすめられているが、そういったことは、世界中で行われており、それを探して応募することで、現地で働きながら暮らすことが可能になる。
また、そのプロジェクトの様子や参加者の声などもネットで見ることができるので、事前に情報をある程度集めることも可能だ。
ただし、もちろん、リスクもある。
信用できるプラットフォームから探すことはもちろんのこと、ほんとうに日本から受け入れ可能か、Visaがどうなるのか、あるいは、言葉の問題(どの程度の英語ができればOKなのか)など充分を調べる必要がある。少し見た範囲でもEU内の国の人とEU外の国の人では条件が違うものなどがあるので、注意が必要だ。
また、下にあげたリンクは上記記事からそのまま紹介したもので、信頼性については、僕にはわからない。もし利用される場合は、基本的にリスクが高いことを念頭に、受け入れ先は滞在者に充分なものを提供してくれるのか、セキュリティに関して充分な配慮をしてくれるのか、仔細に調べていただきたい。
■スタートアップ支援
敷居は高いが、スタートアップを支援してくれるプログラムは世界各地にあるようだ。Techpeacks Italyを例にとると、自分のプランが採用されると、イタリアン・アルプスで4か月の滞在が無料になり、様々な支援が受けられる。ただし、EU外の国のひとはVISA取得のため、修士過程終了が必須となっているようだ。
例)Techpeacks Italy, StartUp Chile, SEED Brazil
■アーティスト・イン・レジデンス(AiR)
アーティストなら、世界中の「アーティスト・イン・レジデンス(AiR)」に応募する方法がある。WikiによるとAiRとは「各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせること」。TransArtistsはそれを紹介するサイトの一例。
世界中のコミュニティーが滞在費を提供するかわりに、そこで必要としていることをしてもらうシンプルなプログラム。ざっと見たところ、スコットランドの古い家の修理とか、スペインのリゾート地での馬の世話などの求人があった。
■WOOF
基本的な仕組みは上のWorkawayと同じだが、WOOFは農家の手伝いをさせてもらうプログラム。一般的には3~5時間働いて、あとは自由時間となるそうだ。
■宗教施設での修行
ストレートな自分探しのためには、宗教団体などが提供しているスクールなどに応募する手もある。たとえばHumanistic Academy of Life and Arts in Manilaでは、3ヶ月間の修行者を受け入れている。どちらかと言えば、西洋の方向けかと思うが、世界各地でそういったプログラムはありそうだ。
例)Humanistic Academy of Life and Arts in Manila, Vipassana Retreat, Mindfulness Project
*逆に言えば、日本の町おこし、村おこしも、上にあげたようなプラットフォームで世界中に発信すれば、おもしろい人を集めることができるかもしれません。