ICHIROYAのブログ

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『一切の嘘のない2年間を過ごすとどうなるか』というMediumの記事が面白かった

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 もし、一切の嘘をつかないと決めたら、人生はどうなるだろうか?
  唯一の例外は、「誰かを守るために必要な嘘」。
 それ以外の嘘、誰かを気持良くしたり、誰かとの関係を良好に保つためなどの嘘も、すべてダメ。

 そもそも、場合によって、上手な嘘をつくことは、立派な大人の作法とされているのではないだろうか。
 僕は、かつて同期の友人に、「いつも直球だな」と言われたのだが、その言葉は半分は褒め言葉であるけれど、残りの半分は「時にはもっとうまい嘘をつけよ」という意味が含まれていた。
 もし、世の中の人を強引にふたつのグループ、「嘘をつく人」と「嘘をつかない人」に色分けしたとしたら、たぶん、僕の知人の多くは、僕を後者のグループに入れるだろう。
 たとえば、Aさんという人が、僕のことを褒めてくれたとする。半分以上お世辞だとわかっていても、嬉しくなってしまうのが人情だ。しかし、何日か後に、Aさんが同じような褒め言葉で、ほかの人を褒めてているのを聞くと、なんだ、誰にでも言っているのかとがっかりする。でも、またしばらくして、Aさんが僕のことを褒めてくれると、そうとわかっていても、また嬉しくなる。

 いままで、僕はAさんみたいに、嘘だか本気だかわからない褒め言葉、悪意のない嘘(white lie)を、もっとうまくたぐれたらいいのになと思うことはあった。
 だけど、「嘘をつかないようにすればよかった」と後悔したことは、ほとんど記憶がない。
 だから、『一切の嘘をつかないようにしよう』と、ことさらに考えてみたことはなかった。 


 今朝読んだMediumの記事に、『Two Years To No Lies - Two years ago I took a vow never to tell a lie. Here is what happened.』(一切の嘘のない2年間~2年前に嘘をつかないことを誓約した。それで起きたこと)というのがあって、考えさせられた。

 筆者のDinaさんは2年前の夏、White Lieを含めて一切の嘘をつかないことを誓った。そうしたら、彼女の人生はどうなったのか、という話だ。

*自分は正直だと思っていた。が、自分が毎日、いかに多くの些細な嘘をついているかに気がついた。多くはその必要もないときに、無意識に嘘をついていた。(たとえば、待ち合わせに遅れた時に、地下鉄が遅れたと言ったり、レストランで魚が嫌いなだけなのに、魚のアレルギーだと言ったり、ロンドンに20回しか行ったことがないのに30回行ったと言ったり)
*毎日の些細な嘘をやめるために毎日ノートをつけた。そして、些細な嘘をやめることはさほど難しくはなかったが、完全にそれをやめるために2ヶ月かかった。
*嘘をやめると、会話でリラックスできるようになり、嘘をつくか迷うことがないので幸せになった。自分がピュアになり、偽りのない自分自身になっていくのを感じた。本当のことしか言わないので、良い動機に基づく行為が多くなった。
*他人の嘘をたやすく見抜けるようになった。そのため、自然と嘘を言わない人たちとの交遊が増えた。その人達と嘘のない正直な意見を交わせるようになった。

 
 なるほどと思う話ではあった。
 が、すっきりしない部分もある。彼女はやめるのが難しい嘘があるとして、たとえば、「大事な友だちをあるパーティーに招かなかった理由を訊ねられたとき」のことを挙げている。
 僕もその部分にとても興味があったのだが、先に結論を言うと、僕の納得できる答えではなかった。
 彼女は最初、その問にうまく答えられず、友人との仲が疎遠になったと書いている。が、「その後、真実を上手に扱う術を覚え、ものごとの理由を、もっとシンプルにクリアーに説明できるようになった」と言う。
 2年後、その知人と同じ話になった時、「そのパーティーは起業家たちの集まりで、彼が場違いだと思ったのは、彼がファイナンスの分野の人だから」ということをシンプルに説明できて、彼との仲はかつてより、より親密になったそうだ。

 つまり、その種の相手の立場を思いやってつく嘘も、じつは「嘘をつかない」という訓練をして習慣にすれば、嘘をつかずにきちんと説明できるようになる、と仰っている。
 
 そうだろうか。
 この部分は、この話が成り立つかどうかのとても重要な分岐点だと思うのだが、やはり100%納得はできない。

 まあ、しかし、「一切の嘘をつかないと決めた人生」がどんなものか、垣間見れてとても興味深い記事だった。
 しばらく、僕も日々どれほどの嘘をついているか、数えてみよう。
 
 きのうは?
 思い出せる限りでは、ひとつの嘘も言っていないし、ひとつの嘘も書いていない。
 
 だから、僕の人生はスケールしないんじゃ?と思いつつ・・・

 

photo by Caro