がんばって書けば書くほど成功から遠ざかるもの、それがブログ?!
PaypalやLinkendln,Suareなどの名だたる成功したベンチャー企業に早くから関わったことで有名なキース・ラボイス氏がこのようなつぶやきをしたことで、とくに起業家にとってのブログの役割について、議論が起きている。
『ブログを定期的に書いているCEOや起業家で成功しているひとを誰一人として知らない』
ぶっちゃけ言うと、そういう人たちは、ブログなんて書いている暇ないやろ、ってことかなと思う。
すでに成功して名前の知られたCEOは、どんな内容だろうが、書けばたくさんの人が読んでくれるし、それを自分や会社のPRのツールとして有効に使える。
だが、まだ成功していない起業家や小さな会社のCEOがそれを書いても、基本的に誰も読んでくれない。
読んでくれないから、さほどPRにもならない。無理に読んでもらおうとすれば内容を充実せねばならず、余計に時間がかかり、アクセス増のために、下手をすると会社や自分のイメージに傷をつけてしまうことだってある。
そんなことに時間をかけているぐらいなら、その時間を自分が提供するサービスを磨くことにかけたほうがずっと効果的だ。
起業家や、成長を目指しているまだ小さな会社のCEOにとっては、その意見に完全に同意する。ブログという形よりも、サービスを提供しているウェッブのなかに、自分の考えやプロフィールを充実して書いておけば、そのほうが効率的なのではないかと思う。
『成功』という言葉はひとにとって様々な意味がある。
しかし、起業家だけにではなく、ほかの多くのひとにとっても、この『ブログを書けば書くほど成功から遠ざかる』という言葉はあてはまっているような気がする。
僕も含めて多くのひとは、ネット上での影響力を得たい、あるいは、文筆業のようなことをやりたいと思ってブログを書いているのではないかと思う。
しかし、小説を書きたければ、文学賞は数知れずあって、門戸は開かれているのでそちらに投稿したほうが良いし、ノンフィクションや社会批評のようなことを書きたいのであっても、ブログが最適なメディアなのかどうか疑問が残る。ネットの世界では、良質なコンテンツがもっとも多いアクセスを得るとは限らない。どちらかといえば極論がアクセスを集めるので、ネットでの反応をフィードバックしつつブログを書いていけば、その到達点が自分が想像していた到達点とはまったく違うものになっている可能性が高いような気がする。
といいつつ、僕もそろそろ、ブログを毎日更新して2年になる。
もうすぐ、Kimono Archive(日本の古い染織品をネット上のアーカイブとして残す活動)のサイトが立ち上がるので、もうしばらくはがんばって毎日更新したいと思っている。
そろそろ、更新頻度を下げよかなと思いつつ、いろんな話をいただいたり(ほとんど話だけでなにも形にならなかったが)、たまには誰かに役に立っていると感じて嬉しく思うこともあって、理屈ではやめたほうが賢いと思いつつ、なかなかやめようと決心するまでにはいたらない。
この精神状態は、なにかの中毒症状みたいなものですね!