ICHIROYAのブログ

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良い習慣が続かないのは意志力のせい?「チョイスアーキテクチャ」を整えよう!

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  チョイスアーキテクチャChoice architecture)っていう言葉を今日知った。
 以前にも紹介したJames Clear氏の記事How to Stick With Good Habits Even When Your Willpower is Gone(「意志力がなくなったときに、どのように良い習慣を維持するか」)という興味深い記事を読んでである。

 その記事の言わんとするところは、こういうことである。
 「意志力」というのは、一般的に考えられがちなように、無限のものではない。使い果たしてしまい、どうしても身体がいうことをきかないときもある。
 良い習慣を毎日毎日長い期間にわたって続けることこそが、成功の鍵とわかっていても、その習慣を放棄してしまいそうな時もある。
 そういうとき、ひとは自分の意志力の弱さを嘆くのだが、それは誰にでもあることだ。
 大切なことは、そういった意志力が弱る時があると知り、それをおぎなう環境を整えておくことである。
 
 脱社畜ブログの日野さんの最近の記事に「家で仕事や勉強に集中するためにできること」という面白いものがあった。彼の3つの提案のうちのふたつは、「1.カーテンを開けて外から部屋の中が見えるようにする 2.寝具から離れる 仕事の順番を考える」であり、それこそ、「意志力」が弱りそうなときに、「環境」が支えてくれる素晴らしい例ではないかと思う。
 
 あるひとは「ただ頑張って」「自分の意志の力を信じて」自分の部屋で仕事をしようと意気込み、しかし、ある時は力尽きて部屋においたベッドに横たわってしまう。だけど、あるひとは、「頑張れない気持ち」の時もあると知っているから、部屋にはベッドを置かない(あるいは、蒲団にして上げてしまう)。そういう環境をつくってしまい、意志力の弱まったときも、良い習慣を続けることができる。

 Jamesさんの記事では、例として病院の売店での実験が挙げられていた。この記事の図のようにミネラルウォーターを取りやすい配置に店を店内を変更すると、ソーダ類の売上が11.4%落ち、ミネラルウォーターの売上が25.8%上がったということだ。
 つまり、環境を変えるだけで、なんの意志の力も関与しないままに人々の習慣が、良い方向に変わったということだ。

 長年、百貨店で仕事をしてきたから、ディスプレイや棚の位置を変えるだけで、それぞれの商品の売上がいかに劇的に変わるかということは、骨身に沁みて知っている。
 だから、僕はその実験の結果そのものには、驚かないけれど、「チョイスアーキテクチャ」つまり、「人々が選択するときの提示のされかた」「選択するための構造」というコンセプト、言葉がとても面白いと思った。(この言葉はWikiによれば2008年に出版された「Nudge: Improving Decisions about Health, Wealth, and Happiness」という本で使われた言葉だという)
 
 この「チョイスアーキテクチャ」という観点から考えると、工夫できるところは無限にあるような気がする。
 もちろん、個人の生活を改善するため、良い習慣を続けるためにということもあるし、会社とかチームの効率をあげるためにオフィスを見直すとか、そして、社会全体にわたる大きな問題についても。
 
そして、「チョイスアーキテクチャ」の重要性は僕らが考えているよりずっと大きいのだ。

 

 さあ、「意志力」の弱さを嘆くのはやめて、ともかく、身の回りのチョイスアーキテクチャを整えることから始めようではないか。
 

photo by Simon & His Camera