ICHIROYAのブログ

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真のリーダーは誰だ? サイコロで決めるたほうがマシかも!

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次の日本のリーダーの座を巡る駆け引きが激しくなってきた。

真のリーダーってなんだろう、と考える。

単純だけど、「一番良いところを知っていて、みんなをそこに導いてくれるひと」のことだと思う。

だけど、「一番良いところ」というのが、普通はどこにあるかわからない。
しかも「一番良いところ」へ至る途上には、相当な犠牲を払わなければならないかもしれない。
それでもみんなを納得させ、犠牲にはみんなと涙を流し、そして楽天的にみんなを率いていくひとのことだと思う。

  次の時代を創ることになるほどの大改革は、

  誰の頭にでも浮かんでくるものではないのである。

  それゆえに、英雄は常に孤独なのだ。

  その彼を理解しないのは、敵ばかりではない。

  味方の多くも理解していないのが普通である。

  *********塩野七生 『再び男たちへ』



そういえば思い出すことがある。
かつてつとめていた百貨店は、現会長のもと、業界の先頭を切って、リストラを含む苛烈な改革をおこない、百貨店業界でトップクラスの利益を維持するにいたっている。
現場の課長で、そのリストラ、営業改革の大波を浴びた僕には、納得のできないことばかりであった。
塩野さんの言うとおり、「味方でありながら理解していなかった」のである。
現会長は、当時から、冷徹な目で。百貨店業界の急激な売上の減少と現実的な生き残りの道が見えていたのであろう。躊躇はなかった。
いっぽう現場のリーダーたちは、理想と建前と根拠のない楽観にがちがちに支配されていた。
いま振り返って、やっぱり現会長は凄かったと思うとともに、いかに自分の見識が狭かったかと思い知るのである。


日本がこれから向かうべき「一番良いところ」はどこなのだろうか。
塩野さん流に言えば、みんなが理解できる、みんなが容易に想像できるところではないのかもしれない。
それでも、「一番良いところ」を知っているリーダーを選ぶ必要があるのだ。
候補者たちが語る「一番良いところ」に耳を傾け吟味する。
が、理解できないかもしれない。
いや、おそらく、大改革が必要な日本の現状では、理解できない話である可能性が高い。
ということは、それが理解できなくても、「一番良いところを知っていそう」と、感じられるひとを選ぶしかないのである。

ところで、橋下さん。著書にこんなことを書いている。


「なんで『国民のために、お国のために』なんてケツの穴がかゆくなるようなことばかりいうんだ?政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。自分の権力欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければいけないわけよ。(略)ウソをつけない奴は政治家と弁護士にはなれないよ!」(『まっとう勝負!』小学館より)


「一番良いところ」を知っているかどうかはおいて、こういう発言をするひとに、自分の不利益を甘受しても従う、というひとが大勢であり続けるのか、ちょっと疑問に思うこともある。
しかしまあ、彼は、「それは自分が政治の世界に入るまえの自分が、政治家を指して言ったことで、僕自身は、国民のためという志でやっている」と言うのだろう。

しかし、塩野さんは、こうも語っておられる。

   優れたリーダーとは、良き結果を得るためには良くない手段に訴えるくらい、

   眉ひとつ動かさずにやってのけられる人種のことである。

   ***********塩野七生 『再び男たちへ』


橋下さんは、たしかに、そういった人種のひとりであると思う。
 
 

ちなみに、僕は、一方的な反橋下ではない。

「お泊り禁止」であろうが、彼が「一番良いところ」を知っていて、みんなを導いていくチカラがあるのだと確信できたら、圧倒的に支持する。

いまだに、支持すべきかどうか、迷っているのである。

たとえば、前に書いた理由で、カジノの誘致で経済的な問題を一気に解決しようという考えには、真っ向から反対である。 
そもそも、喧伝されているほど大阪府の財政は好転しておらず、あいかわらず危機的状況であり、橋下さんが、リストラや何かをやめる、切るということだけでなく、何か創造的なことができるのか、わからない。 


しかし、府政の実績を調べてみると、橋下さんは、案外簡単に、いくつかの公約は反故にしている。(Wiki参照
また、独断専行に見えて、実は充分に議論させてから結論を出す面もある、という。
カジノの件も、案外、あっさり看板を下ろしてくれるかもしれない。

ああ、それにしてもわからない。

誰にこの日本を託すのが一番良いのか・・

そして、たぶんわからないまま、投票日を迎えることになるのだ。

そして・・・


( 写真は 死をも命じる軍のリーダー 我に続け! 明綴れの現代袋帯