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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


ミニマリストと着物とシャンパングラス

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 リビングの上のテーブルに「ミニマリスト」と呼ばれるひとの本が置いてあって、妻が「それ、面白いよ」と言った。
 そういえば、「ミニマリスト」という言葉を最近頻繁に耳にするようになっており、少し気になってはいた。
 Google Trendで調べてみると、確かに「ミニマリスト」という言葉が(検索ワードに)頻出するようになったのは、今年に入ってからで、とくに最近急増している。
「断捨離」という言葉は2010年ごろからで、以来ずっと注目されているようだ。

 その本をざっと見ただけだし、「ミニマリスト」がなにを意味しているのかは、充分に理解していない。
 ただ、50才半ばの妻や僕の気分には、合致しているところは、多分にあるかもしれない。本もCDもどちらか選べるのであれば、たいてい電子版やダウンロードかストリーミングを選んでものが増えないようにしているし、あれもこれも捨ててさっぱりしたいねという思いは強くある。
 
 また、なるべくものを持たず、もっているものを他人と比べずに、今という自分の瞬間を大切に生きるということについて(もし「ミニマリスト」の人たちがそう思っているのであれば)、大いに賛同するところもある。
 人間社会は競争を原動力に進歩してきたと思う。国と国の競争、会社と会社の競争、そして、会社の中での同僚達のなかでの競争。それが進歩の原動力だったのだけど、それでは競争に勝つ人の方が少なく、多くの人が敗者になってしまい、みんなが幸せにはならないじゃないかという矛盾は、有史以来ずっとあったはずと思う。それでも多くの人が誇りをもって、自分の人生に意味を見出して生きていくために、宗教や会社への所属意識とか、さまざまなライフスタイルが考えだされたのだと思う。
 どうやら、現代の社会は、その役割を担っていた「進歩」という理想や、宗教のもつ力が弱まっており、その担い手がなくなりつつあるように思う。
 もし、その部分いくらかを「ミニマリスト」という生き方が担うというのであれば、それはそれで理解できるように思う。
 

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 「ミニマリスト」という言葉は日本ではここ1年で急に出てきたものだけど、英語圏では、ずっと使われており、とくにここ2,3年で使われることが多くなった(検索が増えた)ワードのようだ。(赤が英語、青が日本語。なお、アメリカだけを指定してグラフを出してもよく似た形になる)
 「ミニマリズム(Minimalism)」という英語ワードそのものは、ここ何年も傾向に変化がないことから、どうやら海外(英語圏)でもライフスタイルとしての「ミニマリスト」が、ここ2,3年、とくに注目されてきているように見える。
 「ミニマリスト」というライフスタイルに注目が集まっているのは日本だけでなく、エコやシェアという考え方と歩調を合わせて、世界的にそういった意識が高まっているのかもしれない。
 グラフを見る限りでは、日本が世界の潮流を後追いしているように見える。

 

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 いまのところ、僕は「ミニマリスト」の定義をよく知らないので自分のことをそう名乗ることはない。
 たぶん、一般に言われている「ミニマリスト」ではないと思う。

 だって、たとえば、僕の仕事は「着物」の販売とかアンティーク着物に関することなのだけど、少ない洋服で着まわしてそれを個性にするというようなことを僕のファッションスタイルにするなら、そもそも着物は着るものから排除されこそすれ、購入を薦めれることができるものではなくなってしまう。
 商売あがったりになってしまう。
 それに、そもそも僕自身が、毎シーズン楽しい柄のシャツを買う楽しみは捨てがたい。
 あるいは、誰かを家に招いてお食事でもという時に、シャンパングラスがないことに、いつもあとで気がついて、こんどこそシャンパングラスを買っておこうと思ってしまう。
 また、歳をとり、会社を辞めて自分の好きなことをやっているので、他人と比べて落ち込んだりすることは少なくなったが、それでもそれを完全に払拭することができたかと自分の胸に厳しく問えば、やはり、いまだ煩悩に支配されていますと答えるしかないところもある。

 僕には「ミニマリスト」の資格はなさそうだけど、ともかく、「ミニマリスト」になることで物欲が減り、さまざまな執着から自由になり、人と幸せ度合いを比べることをやめ、こころ静かになれるのであれば、それほど素晴らしいことはないと思う。
 
 僕自身は「ミニマリスト」にはなれないため、もう少し違った視点で、それぞれの人が満足して生きる場所をつくる方法やスタイルを考えていければいいなと思っている。