●ICHIROYAニュースレター 第145号●
Photo from Sheila Kimono Style
SHEILA KIMONO STYLE:かもめの本棚 online
こちらが彼女の去年出版された力作 SOCIAL LIFE OF KIMONO
日本語訳が早く出ますように・・・と待つばかりです。
ニューヨークのFIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)のテキストに採用されるような力作の著者がなぜ今度は写真集を?
「英語では a picture paints a thousand words(一枚の写真は千の言葉にも匹敵する)といいますが、着物の美しさは言葉ではどんなにしても語り尽くせないのです。だからこのフォトブックをつくろうとおもったのです」とシーラさんは語っています。
自分の持ち物の着物を着て、自分のホームグラウンドとも言える馴染みの場所で自然体で微笑むシーラさんを、お友達でもある写真家のトッド・フォングさんがカメラにおさめています。
わたしゃなんて言ったって振袖でスウィングしているトップの写真が大好き!輝く笑顔とはこのことかしらと思います。
着物が大好きな気持ちがこれ一枚でつたわります。
あ、そうそう、この振袖を含めて、イチロウヤで見つけていただいた帯を多数コーデしてこの本の中でお召しいただいています。え?こんなに素敵な帯だったっけ?と思わず写真と見比べて、うーんこう着てもらうとやっぱりいいなあと ブツブツ言いながら各ページを見ていました。
ほぼ毎日着物を着ているシーラさん、季節のコーデをたのしみ、時にはしっとり、時にはロックに、時にはファンキーに。明治のものから現代ものまで・・・小物合わせもエンジョイしています。
こういった生活感のあるシーンも:
着物がだんだん着られなくなっていくのも仕方のないことね・・・はあ とため息を付く人が大半のなか、シーラさんは「私はトレンド・ハンターよ」と公言しています。
「着物が`美術品’みたいにならないように、ファッションとして生き残るには、今のライフスタイル、キモノ・エンドユーザーたちの動向、つまり`流行(トレンド)’をつかまなきゃ」
と彼女は言っています。リサーチもして、フォトブックもだして、そして彼女が今続けているプロジェクトは、こちら・・・20代から50代までの女性50人を対象にお家を訪れてのその方の着物のタンスの中身についての聞き取り調査です。
その着物がやってきた背景、着物について困っていること、その着物にまつわるストーリーを丁寧に聞き取りしているのです
【The Kimono Closet 箪笥びらき】のサイト
着物産業は年々衰退していて 年間の売上がいくらいくらで・・・といった統計は耳にしますが、個人の声を集める調査はおそらくないのでは?実際の話、着物に何がおきているのか この調査からいろいろなことがわかってきそうです。
着物は好きだけど、置く場所ないしねえ、着る機会ないしねえ、好きなことは好きなんだけどねえ・・・あああ、よく聞いてしまいます。
なんにも考えずにこの本を開くと、笑顔になること間違いなし。インスピレーションの宝庫です。着物に興味のない若い女の子が、この本をみて「かーわいーい!」を連呼しておりました。
写真と写真の合間には短いですが、おお、そうだそうだ!とうなずきたくなるメッセージが含まれています。
同じ年代の私も、(洋服なら何も言われないのにさ!着物だといわれるんだよなーなんていじけている暇があったら、おシャレしなきゃ)と心にぐっときた本でした。
どうぞエンジョイ!してくださいませ。