ICHIROYAのブログ

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良いものをつくるだけでなく、それを自分で売れる人になれ

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 この2月に生まれて初めて本を出させていただき、皆さんの応援のおかげで、まずます売れているようでとても嬉しく思っている。次の本の話もいただき、秋に出していただけるということで、その本を執筆中である。
 ところで、本を出してからというもの、色々と気がつくことがあったのだが、あまり多くの人の参考にはならないと思い、あえて書いてこなかったのだが、これからブログを通じて初めての商業出版の機会を得ることになるかたも増えるだろうし、そういう人のためにと思い、少し感じたことを書いておこうと思う。
 アメリカの作家でブロガーのJeff Goinsさんが、本をベストセラーにするためのノウハウをまとめられている(こちら)。そこには彼の最新作をベストセラーにするために何をやったかということが事細かに書かれており、これから本を出したいと思っておられるブロガーさんや出版社さんにはとても役に立つ記事だと思う。平易な英文なので、興味のある方はぜひ参考にしていただければ思う。僕のこの記事でも、自分の体験をベースに、彼のアドバイスのいくつかを紹介したい。


1.本屋さんは僕の本のことなど気にかけていない

 本が出たと聞いた時、僕は梅田の大きな本屋さんを回ってみた。事前のイメージは、入り口近くの新刊書のゾーンに平積みされている、というものだったが、僕の本はそんなところにはなく、たしかに平積みはされていたが、一般のビジネス書の棚ではなく、たとえば「転職」に関する具体的な本を集めた奥のゾーン(あまり人が来るとは思えない場所)に置かれていた。
 著名な書き手が出版する本とは、扱いがまったく違うのである。本屋さんの多くは、僕のことも、僕の本の内容も知らず、僕の本をとくに売りたいわけでもない。もちろん、売れている本なら売場の前面に出して売上をとろうとするだろうけど、その場合の「売れている」は、何万部も売れてからのことだろう。
 都心部の多くの本屋さんが僕の本を受け入れてくださり、並べていただけたということには強い感謝の念をもっているけど、「本屋さんが並べてくれるから売れる」のではなく、「本がとてつもなく売れたら、それに気づいた本屋さんが売れるところに並べてくれ、また多くのほかの本屋さんも仕入れて下さり、さらに売れるようになる」というのがリアルな話のようだ。
 僕のような無名の著者は本屋さんに過剰な期待を抱きがちなので肝に命じたい。

 
2.無名の著者にとってのアマゾンさんはベスト書店

 アマゾンさんにはランキングがあり、また、レビューもつけていただける。もし、アマゾンさんがなければ、僕は自分の書いた本の感想やフィードバックをいただける機会は比較にならないほど少なかっただろうと思う。
 レビューをいただける、また、リアルタイムの売上でランキングに載せていただけるというのは、リアルな本屋さんでの露出が望めない無名著者にとってはとてもありがたい。
 また、僕の本のKindle版は「Kindleセレクト25」で紹介いただき、一週間ほどスポットライトをあてていただいた。
 いままでのところ、本屋さんで自分の本にポップがついているところも見たことはないし、本屋さんがセレクトしたおすすめの本として紹介していただいるところを見たことはない。
 アマゾンさんだけが、それをやってくださった。ほんとうに嬉しかった。

3.売れる本を出すための努力は、何か月も前に始まり、出版後も何か月も続く
 

  アマゾンさんのランキングを見るのが日課になった。
 出版直後、 本 > ビジネス・経済 > ビジネス実用 > ビジネスライフというカテゴリーで1位になった。その後、徐々に順位は下がり、10位代前半にあることが多くなったが、最近は、20位代にさがることもあった。
 現在は、はてなさんの記事ダビンチニュースさんの紹介のおかげか、カテゴリー4位にある。(ありがとうございます!)
 Goinsさんによると、たいていの本は様々なプロモーションやイベントが終わったあと、関係者の意欲も小さくなり、順位がそのまま下がって本は売れなくなるそうだ。
 だが、売れてビッグセールスとなる本は、関係者が売る努力をやめず、当初のスタートダッシュをテコにさらに多くの人にリーチするそうだ。
 Goinsさんが知人から聞いたベストセラー作家さんのベストセラーの秘訣として、その作家さんが「2年間はその本の話しかしなかった」と紹介している。
 何か月も前に準備を始めてプレオーダーをとるということも大事だけれど、出版後も1年2年と努力を続けるということもとても大切だそうだ。
 そんなとき、アマゾンさんのランキングとレビューは売る努力が身を実を結んでいるのかどうかを知る良い指標になり、良い励みになる。

4.もっと自分の本を宣伝せよ

 Goinsさんの本はよく売れているようだ。プレオーダーで14,000部、USATodayなどの三つのベストセラーにランクイン、今年の3月24日発売で、すでに20,000部売ったそうだ。
 その短期間でアマゾンレビューが348。しかも、83%が星5つ、残りもすべて星4つの好レビューである。

www.amazon.com


 Goinsさんの本は未読で、僕は彼のブログ記事しか読んだことはないが、いま紹介している記事をざっと見ていただくだけでも、彼がいかに知的でサービス精神に溢れ、誰かの役に立ちたいと思っていることを知っていただけると思う。
 Goinsさんがこの成果を得るためにやったことは、ぜひ、彼の記事を読んでいただきたいが、簡単に要点だけ書くと

*売上目標を明確にした(彼の場合プレオーダーの目標を10,000部とした)
*その売上をあげるための何をいつやるべきか明確にした(たとえば、いつブログで紹介してプレオーダーを募集するとか、ポッドキャストやメールニュースで紹介するとか)
*自分のファンや友達にフェイスブックページをつくってもらったりして、販売支援のための(ボランティア)のチームをつくった
*自分のコアのファンに、電子版のプレオーダーを無料で提供した(最初に無料版を配布することの利点はとても大きいそうだ)
*ブログ記事やレビューに正直な印象を書いてもらうようにお願いした

 
 もちろん、Goinsさんは、そういったことの以前に、書いている本が、「読者にとってとても役に立つ」、「誰かに話たくて仕方がなくなる」ようないわばソーシャル・スコアが高い内容を持っているようにすることが大切であると書いておられる。
 それも、納得の話ではある。

 さて、僕も、出版後3か月ほど経ち、自分の本を読んでいただきたいという意欲と努力が、たしかに薄れてきている。
 が、こんなことじゃいけない、Goinsさんの記事を読んで痛感した。僕は、僕が世に出して、その痛い体験を誰かの役に立ててもらおうと決心したのだから、もっと多くの人に読んでもらえるように努力を続けなければならない。
 
 ところで、Goinsさんの記事を読んでいて、いまさらながらに痛感したことがある。
 それは、いまの時代は、「良いものをつくりさえすれば良いという時代」ではなく、「良いものをつくって自分で売る力が必要な時代」であるということだ。
 昨今、たとえば、ライターでも、良い記事を書くだけでなく、すでに読者やフォロアーを多数もっている人が圧倒的に有利になっているようだ。
 また、それは、文章にかぎらず、たとえば、僕の師匠の竹職人で経営者の高江さんも、常々こうおっしゃっている。「かつてのように、良いものをつくるだけではだめだ。良いものをつくり、かつ、自分で販路を開拓して自分で売らなければ、これからの職人はやっていけない」と。
 どうやら世の中は、ますますその傾向が強くなってきたようだ。
 自分が良いと思うものを世に出して、あとは読者や消費者がその是非を判断してくれる。良いものなら、自然と売れていく。作り手はそこにはかかわらず、次の良いものをつくることに専念する。
 そういった考え方が今でも通用するのは、すでにその作品や商品が充分人々に知られとてつもなく多くのファンがいるほんの一握りの人に限られるようだ。
 
 僕もそういったことを肝に命じて、がんばっていきたい。
 Goinsさんも言うように、自分の作品を売りたい、使って欲しい、読んで欲しいと世界で誰よりも願っているのは、出版社でも本屋さんでも小売店さんでもなく、自分自身なのだから。

 


PS 多数のブログやサイトで僕の本を紹介いただいたり、レビューをいただいたりしております!ありがとうございます!(申し訳ありません!網羅できていないと思います。ご連絡くだされば追記します)

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