人生ゲームは、ウィルパワー(意志力)をいかに温存するかが勝負!
やる気とか、意欲というのは、あてにならない。
やる気に溢れているかと思えば、いつの間にかシュンとなり、甘いものが食べたくなったり、蒲団に潜り込んで丸まっていたくなる。
残念ながら、この「やる気」のレベルというものは、自分の思い通りにその値を変更することができないらしい。
たまたま、今朝読んだMediumの記事(The Accelerating Importance of Willpower)に「やる気」「意志力」(Willpowerーウィルパワー)についての面白い考え方が書かれていてなるほどと思った。(以下 彼の考え方を自分なりに書いたものです)
ゲームでは、キャラクターの強さや生命力を表すときに、さまざまな値が表示されて、それが増えたり減ったりする。
たとえば、「知力 60」「戦闘力 80」「生命力 40」とか。
いま、この「やる気」というものを、筆者の言葉を借りて「Willpowerーウィルパワー」とする。
誰もが、朝、目覚めた時は、よほどの二日酔いとかよく寝てないとかの場合を除いて、ゲームマスターから10のウィルパワーを貰う。
だから朝はやる気に満ちている。ネクタイをグイと締めて、今日もやったるかい!と思う。
で、通勤中に、日経新聞のネット版を読む前に、ざっとツィッターをチェックして、話題になっているニュースの裏側を書いたらしい記事をみつけてクリックするかどうか迷い、いまそれをクリックしたら日経を読み残してしまうと思い、クリックを我慢してツィッターを閉じる。
その時、「そのクリックをしない」という決断に、じつは、ウィルパワーを0.5使ってしまっている。
デスクにつくと、部下に頼んでおいた書類ができている。11時にはそれを元に部長にプレゼンしなければならない。読んでみると、不備や不足部分がたくさんある。自分で直してしまえば早いが、それでは部下のためにならないし、彼はまた同じ間違いをするだろう。だが、それで間に合うか? いったん、サーバーにおいてある書類を開いたものの、部下が来るのを待って修正を指示することに決めて、ワードを閉じる。
この決断に使ったウィルパワーは、1。
自販機でもう一杯、コーヒーを飲むことにする。2杯目以降のコーヒーには砂糖を入れないことにしている。すでに家の朝食のコーヒーで砂糖は入れてしまった。が、いらいらして、つい「砂糖・フレッシュ入り」のボタンを押しそうになる。今朝もベルトがちょっときつかったお腹の状態を思い出し、なんとか思いとどまって、「ブラック」のボタンを押す。
また、ウィルパワーは0.5減ってしまう。
ということで、この人の朝9時の時点でのウィルパワーは、
10-0.5-1-0.5=8
と、8になってしまっている。
この調子でウィルパワーはどんどん減っていき、夕方にはおおむね、ウィルパワーを使い果たし、ゼロになる。
で、ついつい夜の町にふらふらと出て行ってしまい、ウィルパワーゼロの強さでおねえちゃんに大盤振る舞いしてしまう。
退社時刻ごろに、まだウィルパワーを使いきらず残している人は、帰る間際でも意欲的な決断ができるし、就業後の誘惑にもNOといえる意志力を残していることになる。
この「ウィルパワー」(意志力・やる気)の考え方は、なんだかとてもわかりやすくてリアルだなと思った。
ウィルパワーは、一日一定量しかない。
ウィルパワーは、自分のそのときの欲望に反する決断をするたびに減っていく。
もしその通りだとすれば、自分のやる気のなさを、自分のダメなところとして考える必要はなく、単に、規定量を使い果たしてしまったからだ、今日は、早く寝る!と開き直れるではないか。
彼の記事の結論は、ウィルパワーを無駄に使うな。ウィルパワーを無駄に使わずにすむ習慣をつくれということで、いつもJames Clearさんがおっしゃっていることと同じである。
とくに最近、テクノロジーがかくも進んだ世界では、ウィルパワーを奪うことやものに始終取り囲まれている。だからこそ、それらから距離をおける「習慣」をつくり、無駄にウィルパワーを消耗しないことが、個人の能力開発や困難な仕事の達成の鍵になるという。
僕はいつも自分のやる気のなさ、持続力の弱さを嘆いているようなところがあるのだが、この記事を読んで、ちょっと気が晴れた。
今朝のウィルパワーは、まだ消耗ゼロ、特別ボーナスで20スタートだ!
photo by Ryan McGuire