ICHIROYAのブログ

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2014年はこうして売れ!(ソーシャルでエコな時代の売り方とは?)

 Tarun Mitra氏がMediumに書かれたThe New Story of Marketing(マーケティングの新しい物語)という記事が、ソーシャル時代のマーケティングをまとめておられてわかりやすかったので、簡単に紹介したい。(下記記事は、要約と、追記で構成した。僕用のメモにしかならないかもしれないが、お役に立てれば嬉しい)

1.Purpose Driven Marketingが主流になる


 海外のマーケティングの記事を見ていると、頻繁にPurpose Driven Marketingという言葉が出てくる。Purposeの意味は「目的」、Drivenは「~によって推進された」という意味で、「その組織が存在する目的を真に達成するために行われるマーケティング」ということだろうと思う。
 コトラーが2010年に発表した「マーケティング3.0」で提唱した次世代のマーケティングと同意のようだ。
 こちらのページの解説がわかりやすいが、要は「世界をより良い場所にすること」を目標にし、ソーシャルメディアでお客様と双方向につながり、価値を作り上げていく販売活動のことを言う。
 それは、利益の一部を寄付するというような、社会貢献活動をするということだけに留まらない。

 

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

  • 作者: フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,恩藏直人,藤井清美
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/09/07
  • メディア: 単行本
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 たとえば、この記事で紹介されている事例は、以前ブログで紹介したDoveのReal Beauty(リアルビューティ)キャンペーンで、この広告は寄付を集めるためにではなく、女性に本当の美しさを知ってもらうために作られており、大きな共感を呼んだ。
 Doveという化粧品メーカーのPurposeが、「女性をそれぞれの美しさで輝かせること」であれば、このキャンペーンも唐突ではなく、納得のゆくものとなる。
 
 ちなみに、このキャンペーンが生まれた背景には、化粧品やファッション業界を始めとするほとんどすべての企業活動が、女性たちに、とうてい「不可能な美」を追い求めることを強要している、という認識が一般的になりつつつあるということがある。
 この記事が紹介している動画Killing Us Softly 4を見れば、その認識がよくわかる。
 Doveのキャンペーンは、その認識を背景に行なわれており、たしかに、いまだに、「スーパーモデルのようなスリムなボディ」、「傷ひとつない完璧な顔」を理想として垂れ流す他の化粧品会社より、何歩も先進的なイメージを作り上げることに成功した。

 Doveのこの動きがキャンペーンのみにとどまるのか、企業活動のPurposeをそのように捉え直してゆくのか、興味深いところだ。
 だが、Doveのキャンペーンの例だけでなく、理想に過ぎないと思われたコトラーの概念を、現実にしつつある企業の例が散見できるようになってきた(とくに海外で)。
 

「世界をより良い場所にすること」にするために、自社は何をPurposeとするか。そして、それを現実にするためには、どういう戦略を立てれば良いのか、そんな風に考え直すことが、誰にとっても必要になってきたようだ。それは利益の一部を寄付するというような部分的な施策ではなく、企業の存在意義と密接に結びついている。(そのあたりの事情は英語だけど、こちらの記事がわかりやすかった)


 

2.伝達コストからイノベーションコストへ


 つまり、たとえばDoveのキャンペーン動画は、世界中で6100万回再生されているが、それをTVスポットでの広告と比較した場合のコストはどうだろうか、と記事は書いている。
 ソーシャルの時代は、イノベーティブな素晴らしいコンテンツをつくれば、それを正しいメディアに乗せれば、自発的に拡散されていく。
 メディアそのものにかけるコストは大きく節約することができるのだ。

 

3.マーケティング手法よりもテクノロジーそのものが重要に

 

 2012年にGratner Reseachが予言したように、2017年までに、最高マーケティング責任者は、より技術に資金を割り振るようになるだろう。
 今までであれば、マーケティングには、「クリエィティブ担当チーム」と「顧客担当チーム」のふたつがあれば良かったが、これからの時代はそれでは充分ではない。
 「クリエィティブ・プログラマー」とでも言うべきチーム、みずからプログラムも書けて、SNSを熟知しており、もちろん、Google Analyticsなども綿密にフォローする。そういった第3のチームが必要となるだろう。

 

4.デジタルとフィジカルの融合

 

 たとえば、スターバックスのモバイル決済サービスPay with Squareターゲット(ディスカウント百貨店)のPinterestページ(お客様がpinnedしたアイテムの写真が見れる)、そして、バーバリーの新形態店鋪「バーバリー・ワールド・ライブ」など、デジタル(バーチャル)とフィジカル(現実)の融合がさらに進んでいく。
 Phygital ( physical + Digital)という言葉まで生まれたようだ。

 

5.すべてのビジネスはメディアビジネスに


 記事には、自らの新しいメディアをプラットフォームとしてもつものが強いという話が語られている。
 そして、もしあなたの顧客がインターネットと使っているのなら、あなたはメディアビジネスにいるものと思う必要がある、と。
 残念ながら、この項目はちょっと記事を読んでも理解できなかった。大きな会社なら、新しく勃興する様々なメディアを買収するのはよい戦略かもしれないとは思うが・・・
 

6.ビッグデータはバズワードにあらず

 
 この項目は、ちょっと耳が痛い。
 たしかに、Google Analyticsひとつとっても、膨大なデーターが蓄積されて、それが無料で提供されている。
 いったい、どれほどのひとが、アクセス可能な顧客・売上・購買行動などのデーターを充分に利用しているだろうか。
 積み上がる膨大なデーターを利用することは、現代のすべてのマーケッターにとって、必須である。