クリスマスやお正月に休めないすべてのパパたちに感謝の乾杯を!
いよいよクリスマスとお正月が近づいていきた。
長く百貨店で働いていて、世間が休みのときは、たいてい稼ぎどきで、休めないのが習わしになっていた。
今はネットショップで、とくに海外向け専業の期間が長かったこともあって、盆と正月、祝日は休みをとらせていただいて、その範囲で商売をさせてもらうことにしている。
いまでも嫁が時々にこぼされる。
子供たちが小さいころ、ゴールデンウィークとかクリスマスとか、秋の運動会とかの日に、たいてい家にいないので、すごく寂しかったと。
休みの数は平日に振り変えれば、理論的にはあるはずだから、それがそんなに辛いことだとは、僕自身はあまり考えなかった。
いろんな事情で父のいない家だってあることだし、と。
が、やっぱり、いるべきときに父がいないというのは、いまだに愚痴るほど、辛いことだったのだろう。
それにしても、小売にせよ、飲食にせよ、国際競争にさらされていないくせに、国内の競争のために駆り立てるように働かされるサービス業の従事者は、やっぱり、たいへんだと思う。
そもそも、ヨーロッパの人たちのように、家でゆっくりしたり、教会へ行ったり、友達を呼んだりという、ゆったりとした休日の過ごし方をせず、忙しく買い物に出かけたり、行楽地へ行ったりしなければ気の済まない日本人の習性が、すでに70%近くが第3次産業で働いている自らの首をしめている。
ところで、トラック運転手の皆さんも、小売業者と同じく、世間一般の休みと無関係に働いておられると思うし、労働環境は過酷だろう。
そういえば、先日、200台近いスチール棚をある会社に注文した。
荷物をつけて欲しいのは2階。エレバーターはあるが、小さなものだ。
ひとりではとうてい荷揚げできないし、僕はその日事務所にいるが腰痛で手伝えそうにない。必ず、ふたり以上で来てくださいねと念をおした。
当日来られたドライバーさんは、僕と同年代(50代半ば)のたくましそうな方。
しかし、あれだけ念を押したのに、ひとりだった。
僕は暗澹たる思いになったけど、ドライバーさんが言う。
「なんや、エレバーターあるんやな。階段しかないからって、言われてた」
結局、僕も手伝わないわけにはいかず、2時間弱かけて、ふたりで荷物を2階の部屋に上げた。
ふたりで汗をかくうちに、ちょっと打ち解けて話をしたのだが、彼はたんたんとこう言っていた。
「この程度のことやし・・・仕事の選り好みなんてできる立場やないし」
そんなトラックドライバーさんたちに、このクリスマス、素敵なプレゼントを届けようとしている人達がいる。
Meals for 18 Wheels という運動をしている人たちで、クリスマスの夜にも働かなければならないトラックドライバーさんたちに、手作りの食事を届けようとしている。
あの広いアメリカだ。仕事の都合で、クリスマスの夜には家から何百キロと離れた場所にいる人たちも多いはずだ。
すでに、このThanks Givingに31の食事を届けた実績があり、クリスマスの企画にも250人のボランティアが参加することになっているという。彼らのフェイスブックページにはすでに5,500の「いいね!」がついている。
この運動を始めたKari Fisherさんは、「Missing Truck Driver Alert Network」という運動の主催者で、行方不明になったトラックドライバーたちを探しだして家族のもとへその情報を届けるという活動をされている。
広大なアメリカでは、事故や事件に巻き込まれてしまって、行方がわからなくなるドライバーが想像以上に多いようである。
そんなKariさんが、Thanks GivingやChristmasに、家で家族とディナーを楽しめなくて辛いというドライバーさんのつぶやきを聞いて始めたのが、この運動である。
大切な日に、家族の元へ帰ることができない人たちのことを思いやり、何かをする。
とっても、素敵な活動だなと思う。
そして、いつの日か、日本もアメリカも、そんな活動をしなくて良いような、クリスマスやお正月にはみんなが家族でゆっくりと過ごせるような、そんな社会になって欲しいものだなと思うのだ。
(参照元:Adopt-a-Trucker Program Making the Road a Little Merrier This Holiday)
photo by Scania Group