ICHIROYAのブログ

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バンカラが選んだ、最高のアンティーク黒振袖!

 

「バンカラ」という言葉は、いまでも生きているのだろうか。

弊衣破帽を好み、ファッションや礼儀に汲々とせず、真理を求めて追求する姿勢、生き方のことだと、理解している。

 僕らの青春時代でも、すでに、「バンカラ」は完全に過去のものであった。
しかし、僕のココロを律していたのは、間違いなく、バンカラ精神であった。
なぜそうなったかというと、マンボウ先生のせいである。

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)



悩み多き青春時代、ココロの支えといっては、「どくとるマンボウ青春記」しかなく、すでにどこにも存在しない 弊衣破帽のバンカラアニキが、僕の理想であった。

大学に入っても、まだ、バンカラを気取っており、相変わらず、

「ボロは着てても、ココロは錦。心意気を見よ」

を通していた。

そんな僕が、百貨店に就職したのだから、 場違いもはなはだしい。

入社後、配属先の希望を聞かれて、答えに窮した。
同期入社の連中のほとんどは、軟派の遊び人に見え、たしかに、洒落たスーツを着こなしていた。
バンカラ野郎に、婦人服など売れるはずがない。
 ハンドバッグやハイヒール、ピアスなどをどうしてお薦めできようか。
しかも、食だって、自信がない。
 弊衣破帽に加え、粗食に耐えうることも、自慢としていたのだ。
この僕に、どうして、旨い神戸牛や、サラダを売ることができるだろうか。

結局、僕の答えは、「美術」であった。
「美」の追求は、バンカラに通づるものがある、と思ったのだ。
しかし、人事のひとの反応は鈍かった。
「ふうん。君の思っているような部署じゃないかもなあ」
結局、人事部は、僕を、お鍋売り場に配属した。

ともかく、おしゃれとは一番程遠い僕が、百貨店に入ってしまったのだ。
不採用にしてくれれば良かったのに・・
おかげで、その後、19年間、おしゃれでない自分に苦しみ抜くことになるのだ。

入社翌年の結婚式。
嫁は、もちろんドレス。
が、僕は、アイスホッケーのユニフォームを着た。
防具も全部つけて、スティックも持ち、スケート靴もはいた。
相変わらず、バンカラが抜けなかったのである。 

それはそれで、めちゃくちゃ楽しい結婚式になり、記憶にも残るものだった。
が、おしゃれな遊び人の同期には、呆れられた。

「ユニフォームを結婚式で着るなんて、信じられん。一生に一回の結婚式。サイコーに、おしゃれに、フォーマルに決めたいって、考えへんのか?」

たしかに、そうだと、今では思う。
ま、しかし、僕は、お前みたいに、フォーマルでビシって決めても、かっこ良くは見えないんだよ。


でも、結婚式を控えた貴女。
一生に一回のことだから、最高の、そして、ほかの誰も着たことのないような、貴女だけの衣装に包まれた姿を、みんなに見て欲しいですよね。

僕はおしゃれでなく、バンカラなんですけど、バンカラはバンカラなりに、美しいものを、とことん追求して、みつけてきたものがあるんです。

この振袖です!
アンティークの黒振袖。
凡百のアンティーク黒振袖とは、まったく違います。
霞のデザインで全体にリズムをつけ、鳳凰や孔雀などの鳥たちが、所狭しと舞い飛んでいます。
丁寧な染で、細部の刺繍の精緻さも、素晴らしいものがあります。
アンティークの振袖を見慣れたかたには、この振袖が、どれほどほかのものと違うか、わかってもらえるはずです。
もちろん、状態もよく、お式での着用も、まったく問題ありません。

この振袖は、催「キモノハイスタイル」で、販売します。

 
この振袖のサイズ等はこちらをご覧ください

PS 追記
この振袖は、居内商店さんが、復刻として発売される可能性があります