ICHIROYAのブログ

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商人の情報戦、今昔。(付:キモノハイスタイルへ出品予定の逸品ふたつ)




いつの時代も商人たちの商売の優劣を決めるのは、情報戦、通信手段のようだ。

最近、道具の骨董の市場(業者間の売買)では、携帯で写真を撮るのは禁止、だという。
携帯やネットに詳しい若い骨董商たちが、下見のできるわずかな時間で、携帯で写真を撮り、自分の複数のお客様に画像を送って、いくらまでなら買ってくれるか、確認してしまうからだ、という。
もちろん、下見の時間に、ヤフオクをさっさと見て、現在の相場を調べてしまうことなど、朝飯前である。
しかし、ご年配の骨董商のなかには、携帯やネットは苦手なひともかなりいて、携帯でごちゃごちゃするワカイモンは目障りだ、となったのであろう。

まあ、しかし、水の流れは止められない。
市場からの画像送信を禁止しても、ネットにおける情報戦が苛烈であることは間違いなく、情報戦を有利に戦うものが、着々と地歩を広げているように思える。

たまたま、ハトを巡る歴史を調べていて、面白い記事をみつけた。

「隠した伝書バト」 天風録・中国新聞

鳩が平和のイメージをまとったのは、戦後のことだけど、日本における鳩の歴史は長く、飛鳥時代にすでに渡来していた、という。
しかし、伝書鳩として使われるのは、江戸時代に輸入されてからだ。
そして、その伝書鳩を最初に利用したのは、商人たちらしいのだ。
飛脚や馬、狼煙などしか、通信手段のない時代である。
数十キロも離れたところに、わずか1時間程度で情報を運んでくれる伝書鳩の能力が、当時の商人たちにとって、最強の情報伝達手段となっただろうことは、想像に難くない。(平均時速60Km)
ライバルたちより、いち早く、米の相場を知ったり、災害を知らせたりすることができれば、良い商売ができる。

しかし、ここでも、同じようなことが起きている。
幕府は、商人たちが、相場の伝達に伝書鳩を使うことを禁じた、というのである。
実際に、大阪の相場師が堂島の米相場の情報を伝えるために伝書鳩を使ったのを咎められ、幕府に処罰された記録が残っているらしい。

だが、商人たちもしたたかである。
上に紹介した記事では、尾道市の古刹の裏門の屋根裏部屋に、隠し部屋があり、そこには、細かく仕切った200の鳩小屋がある、と紹介されている。
ご法度は承知である。
しかし、相場を早く知らなければ死活問題である。
店や自宅に鳩小屋をつくれば、一目瞭然だが、いつも鳩がたくさんいるお寺なら怪しまれまい、ということだろう。
 
 このハト小屋は、尾道市東久保町の浄土寺にある。現存する中では国内最古とみられる江戸後期のもの。
「平成の大修理」が終わる2013年9月から一般公開を予定している、という。

来年の一般公開には、足を運んで、江戸時代の商人たちの、命をかけた情報戦の名残を、ぜひ見てみたいものだ。 


(付録:キモノハイスタイル出品予定の逸品ふたつ)

上)薔薇と鳥づくしの大正振袖。
伝書鳩もいます!
状態良く、着用可能です。
ただし、お値段は80万円。
サイズなどの詳細はこちらをご覧ください

下)鳥づくしの刺繍丸帯
昭和後期
両面とも、カラフルな鳥の刺繍で埋めつくされています
そこまでしなくても、っていう逸品です
状態も良し
50万円です。

サイズなどの詳細はこちらをご覧ください

 


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