ICHIROYAのブログ

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いまゼロから始めて、ネットショップで稼ぐための3つの資質

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たまたま、大学の同期の知人が、転職を余儀なくされたり、高校の同級生から、相談されて、ちょっと、真剣に考えてみた。

いまゼロから始めてネットショップで稼ぐことができるのか、と。

しかも、月数万円のレベルでなく、53才という僕らの年代にふさわしい収入を得ることができるだろうか。

以前、「後発のネットショップが2年で年商1億に成長した5つの秘訣」という記事に、ネットショップで稼ごうとするひとにエールを送るべく、僕がもっとも重要だと思える点を書いた。
相当な熱意とホンキで書いたこの記事は、ここ2年で僕らが体験したことを書いたので、ある程度役に立つと思っているのだけど、実際に、50代の大切な友人たちが、選択肢のひとつとして、ネットショップを考えているとしたら、まだまだ、言葉が足りないような気がしている。
そもそも、成功の体験談というものは、語られた時点で、すでに環境が変化しており、また、書いているものが、それを意識せずに持っていた資質や好条件があり、実際のところは、あんまり役に立たない、というのが相場である。

たしかに、僕らはゼロからスタートしたのではなく、すでに大きな資産をもっていた

(1)中古アンティークの着物の知識(国内向けの知識は不十分だったにせよ)
(2)仕入れルートをもっていた
(3)すでに大きな在庫があった
(4)ネットショップ運営のノウハウがあった
(5)国内でも弊社の存在も多少知られており、ある程度の信用があった

これらのものがなければ、とても国内向けのショップを、こんなにも早くいまの規模にすることはできなかったはずだ。

「ネットショップで儲かるか」と検索すると、無理!と断言するサイトが多くヒットする。
同時代(10年以上)からネットショップで頑張っている仲間に聞いても、「自分たちには、早期から始めたメリットが大きい。今からの参入で、とくに零細事業者が、早期に収益化できるかどうか、非常に微妙」と言われるかたがほとんどだ。

はっきりわかっていることは、フツーに考えて、フツーに働いていたら、絶対に不可能である、ということだ。
だが、いま、ゼロからネットショップを始めて、軌道にのせることができるひとも、少数だが、絶対にいる。
そして、おそらく、いま、ネットショップを立ちあげて収益化できるひと、というのは、ネットショップに限らず、「自力で商売をする能力」をもっているのだ。

「ネットショップだったら、小資本で、誰でも簡単に始めることはできる」
が、成否は、「そのひとが自力で商売をする能力をもっているかどうかで決まる」
ということではないだろうか。

僕が見るところ、自力で商売のできるひとは、共通するある種の能力をもっているような気がする。
それを上げてみる。

1)自分で考えぬく癖をもっている
2)見栄やプライドを捨てることができる
3)なにがなんでもそれで食うという覚悟がある

「お客様の喜びを自分の喜びとできる」という点も、あげたいところだが、実際には、とてもそうとは思えない人の中にも、長期にわたってビジネスを続けているひとがいる。
僕は自分の仕事の核に、この点を据えているつもりだけど、それがいつでも、事業の成否を決めるかどうかはわからないところが、商売が一筋縄ではいかない点だ。

しかし、個人事業主は、ネットショップで稼いでいるものは、ほんとうに、それぞれが考え抜いている。
みんな、売れないものを抱えて、立ち止まる、ということがない。
売れないなら、売れない理由を調べ、売れるような値段で仕入れる方法はないか、ほかに売れるものはないかと、考えぬく。
いつの間にか、商材は海外から輸入していたり、自分でオリジナルをつくっていたりして、アマゾンさんが型番で商品登録できるような商材とは、おさらばしている。
ネットショップの仲間たちの話を聞くと、売れているネットショップには、それぞれの独自の売れている理由があることがわかるのである。
商材だけではなく、商品の見せ方、宣伝方法など、ほんとうに考えぬいて、修正に修正を重ねており、それぞれが独自のところに立っているのである。

また、会社勤めが長かったひとに一番むずかしいのは、見栄を捨てることができるかどうか、である。
たとえば、古着の業界でも、こんなことがある。
市場の売買のかなりの割合の商材は、経験の長い古着商には、単なるゴミにしかみえない。
たしかにそれでも稼ぐことはできるけど、手間がかかって、すくなくとも、自分のそろばんには合わないのである。
しかし、そういったものだけを、最低の値段で買う。
もっとすごいひとは、「いらないものもらいます」と言って、先輩たちがたたんだりすることさえ面倒がるものを、ただでゲットする。
もちろん、それらを売っても、さほど高くならない。
でも、仕入れ値が極端に安いので、汗さえかけば、必ず儲かるのである。
もちろん、先輩の業者たちからは、あんな安物ばかりやって、と馬鹿にされる。
しかし、そうやって、タダ同然のものをもらい集めていた新人が、やがて、一歩づつステップアップして、高額なものでも、先輩たちを負かし始めるのを、僕は何度も見ているのである。
それは、リアルの商売でも、ネットの商売でも変わらない。


それにしても、かならず、ネットショップで食う、勤め人には戻らない、という覚悟がなければ、ならない。
たぶん、そういった覚悟ができてはじめて、ひとは「死ぬほど考える」し、「見栄を捨てる」こともできるのだ、と思う。

もし、今からネットショップを始めて、儲かるかと、大切な友達に聞かれたら、こんなふうに答えるしかないな、と思っている。

ちょっと抽象的で、申し訳ないんだけど。

( 写真は お花畑のような唐子と唐草の名古屋帯~ むかしのネットショップはバラ色の夢だった??