ICHIROYAのブログ

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『「反原発」の不都合な真実』を読んで(1)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)




先日、福島に行ってきた。
フラダンスを見て、沿岸部の津波被害を受けた町も見て、手を合わせてきた。

帰りの車中で読む本を探していたら、ちょうどこの本がたくさん積んであったので、読んでみた。 

 

著者は外資投資銀行に勤める人気ブロガーで、経済学者・池田信夫氏の言論サイト「アゴラ」などに連載をもつ。彼のことは以前から知っていて、ときどきブログも読ませていただいていた。
ちょうど、彼の書くものであれば、原発推進派の側の一般的な論理が よくわかるだろうと思い、購入した。


本書の主張は、電力会社や政府がいままで主張してきたことと同じである。
ただ、投資の世界にいる人らしく、各種の統計数字をつかって、いかに、原発が安上がりで、効率的で、人間にとって安全なものかを説いている。


読み通した感想は、それなりに説得力はある、ということだ。
たとえば、最初の章にこう書かれている。

「日本で急進的な脱原発がすすんだ場合、年間に6900人も死者が増えてしまう可能瀬があります」

とある。
WHOなどの統計から、化石燃料使用の増加が、大気汚染を引き起こし、それがもとで、6900人増える、ということである。

さて、さっと読むと、その論旨に納得させられそうになるが、ちょっと待てよ、と立ち止まる。

彼の利用している数字は、すべて、WHOなどの機関が発表したものだ。
この「6900人」の推計への反論は、いまはおく。

そのあとにチェルノブイリ事故の死亡者数について、WHOとIAEAの報告である4000人や国連科学委員会(UNSC)の65人を提示し、チェルノブイリの被害は最大でもその程度である、と断定している。


僕は、ここに至って、彼が「盲目的」に引用する数字や論文が、果たして事実を反映しているのか、彼が言うように、放射能の危険は、ほんとうに、反原発論者の幻想に過ぎないのか、非常に疑問に思った。


WHOの発表は盲目的に信じてよいのか、ということだ。

そして、Googleでちょっと調べただけで、WHOはIAEA国際原子力機関)の同意なしに、何かを発表することはできない、という事実に行きいた。

著者は、WHOやIAEA, UNSCの結論は多くの科学者の同意と合意を得て発表されたもの、として、盲目的に信じている(ようだ)が、事実は、WHOもその他の国際機関も、原子力産業そのものに、支配されているということだ。

著者は、そのことについては、一言も述べない。

不思議に思われるかもしれないので、こちらの動画をぜひご覧ください。
一説には、チェルノブイリの被害者は100万人に昇るという研究もあり、それが反原発論者の幻想に過ぎないとは言い切れない事情がよくわかります。

 




そして、こちらも。

 http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/info/chernobyl-a-million-casualties/

 すみません、時間切れです つづく )