ICHIROYAのブログ

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低線量被曝、内部被曝の危険性がわからないのはなぜか

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

 

低線量被曝、内部被曝がどの程度危険なのか。
原発の是非についての議論に、もっとも大きな認識の乖離があるのが、この点である。
たとえば、原発推進派と反原発派の両方の意見を聞いていると、なにがなんだかわからなくなる。

チェルノブイリ事故の死亡者数は、原発推進派の言うように4000人なのか、反原発派が言うように100万人なのか。
低線量被曝、内部被曝は、原発推進派の言うようにまったく危険はないのか、反原発派が言うように、とくに子供には危険で、将来、癌のみでなく心臓病などの原因となるのか。

僕も、どちらの意見が正しいのかわからず、「わからない」という前提で考えるしかなかった。しかも、マスコミから得られる情報、雰囲気は、「やっぱり騒ぐほどのことはない。だいじょうぶだった」であり、僕自身もそちらへ流れがちになっている。

たまたま、福島へ行ったり、ちゃんと考えないといけない事情が生じて、『「わからない」 でもよいが、なぜそんなことがわからないのか、知っておこう』と思った。

僕は、原発の専門家ではないし、運動家でもない。
しかし、3,4時間、ネットで調べただけで、すくなくとも、「低線量被曝、内部被曝の影響がわからないのはなぜか」という疑問については、自分なりの答えを得たような気がする。

(1)調査をする主体が、原子力推進派もしくは、原子力推進派の傘のもとにいるものばかりなので、その基準や発表を鵜呑みにしてよいかどうかわからない。

*ICRP(国際放射線防護委員会)はIAEA国際原子力機関)の助成金を受けているし、IAEAの人物が正会員として加わっている
*WHO(世界保健機関)は、放射線に関する事項を発表するときには、IAEAの合意が必要である(協定 WHA 12-40)

 

(2)政府系、原子力推進派の調査に対し、多数の民間機関や研究者が、チェルノブイリ事故の影響を調べていて、さまざまな見解が乱立している。政府系の発表が信じられないとしても、グリーンピースの推計23万3000人(将来の癌死亡者数を含む)もまた、逆のバイアスがかかっているかもしれず、そのまま信用しづらい。


(3)どちらの見解が正しいのか、さらに調査をして、中立な科学者たちの意見をまとめれば、ある程度の結論は得られる問題のように思われる。
ただし、低線量被曝、内部被曝の影響は、数年~数十年におよぶ長期、かつ多人数の調査が必要。


(4)しかし、さらなる調査や議論を、公的機関は拒絶しているようにみえる。調査の対象は、チェルノブイリ事故と広島・長崎の原爆だが、ウクライナベラルーシの政府や、WHO, ICRPなどにそういった調査を望むことはできない。
また、広島・長崎の原爆の影響を調査している放射線影響研究所(前身ABCC)は、早い段階で内部被曝の調査を放棄してしまっている。 

 

そういった事情で、「低線量被曝や内部被曝が、どの程度危険なのか、わからない」のである。
僕には、良くも悪くも、現在の国際社会は、核兵器と原子力の便益と力関係に立脚しており、たかが、何千、何万の単位の人間の不利益は、黙殺してしまったほうが、都合がよい、という力学が働いているように思える。

断定はしない。

結局のところ、自分で調べて、自分なりの結論を得るしか方法がない。

もし、下記にあげる3本の動画をすでに見られた、あるいは、今回、見たけれど、「低線量被曝、内部被曝が危険でない、こんな根拠がある!」ということをご存知のかた、ぜひ、教えてください。


(1)チェルノブイリ事故での死者は、100万人とする Janette Sherman 博士のインタビュー 日本語字幕つき(29分)

(2)真実はどこに~WHOとIAEA(50分)

(3)【内部被曝・低線量被ばく】ヒロシマで原爆が爆発したときの放射線を、ほとんど、または全く浴びていない人たちにも被曝の症状が見られたが、内部被曝の調査は葬られた。(20分)