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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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80才を超えたら、お医者さまの言うことを鵜呑みにするな

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お医者さまの言うことは、人間だから、そりゃたまには間違いがあっても、おおむね正しいことをおっしゃって、正しい治療をしてくださっているもの、と思って生きてきた。

しかし、80才を過ぎた患者に、お医者さまの言うことは、あてにならない、と最近、知った。

去年、80才の母が、階段で転倒して、足の骨をひどく砕いた。
病院に運び、入院させたが、足の治療に入るまえに、さっそく、錯乱状態になった。

それは、「老人性せん妄」と呼ばれる高齢者の手術入院時にはよくあるもので、一時的な環境の激変で精神的に混乱してしまうためにおきる。
認知症とはまったく別物である。

いろいろな情報を集めて、いまでは、それが「老人性せん妄」であることはわかるが、その時は、まったくわからない。

付き添ってくれていた妹が電話で言う。

「お母ちゃん、狂ってしまった・・・それで、先生に、ほんとうに手術しますか、って聞かれている。手術しても、起きて歩けるようになるかどうか保証はない。手術したら、入院も長引き、認知症がもっとすすむことは、間違いない。応急処置だけして、手術しないで、早く退院したほうが良いかもしれない。それでも、手術しますか?って。」

変な話だ。
もちろん、歳だから、すこし頼りないが、認知症とはっきり心配したことはない。
しかし、その外科の医者は、認知症であるといい、それがいまもひどく、手術すれば、もっとひどくなることは確実だ、と言う。
手術をしても、歩けるようにならないかもしれないので、手術などせず、家に引き取って、歩かせることは諦めて、寝たきりにしておけ、と言わんばかりである。

いまなら、判断を迷うことはないが、そのときは、妹も、父も、僕も、気も動転している。
それに、それが
一過性の「老人性せん妄」であることがわかっていれば、話は簡単であったが、ネットでちょっと調べたらすぐに出てくる、「老人性せん妄」のことを、経験豊富なはずのこの外科の医者は、一言も言ってくれない。

「どうしようか・・」と妹。
父は父で、右往左往するばかりで、まったく頼りにならない。
僕も妹も、そのときは、ほんとうに、迷いに、迷った。

手術せずに連れて帰ったら、寝たきり必定で、先に、ひと筋の希望もない。
しかし、手術して、さらに、医者が言う「認知症」がすすんで、仮に、足は治っても、錯乱状態がさらにひどくなれば、それも、真っ暗である。

「やっぱり、手術してもらおう」と僕。
「まず、治すべきところを、治してもらって、すべては、それから考えよう」
「うん、わかった」

そして、現在。

その外科のお医者さんは、手術の腕は、たしかだったようだ。
数十本のボルトを埋め込んだ、母の足は、歩けるまでに回復した。
また、入院時に悩まされ続けた「老人性せん妄」もとけて、いまでは、父とふたりで、なんとか人の手をかりずに、自立して生活している。
そのお医者さんに、おおいに感謝している。
しかし、危うく、僕や妹が、自分の判断で、母を寝たきりにしてしまうところだったのだ・・


さて、お医者さまの言うことはあてにはならない、と思ったのは、この母の件だけではない。

家にいる嫁の父。
母(父の配偶者、嫁の母)を長いあいだ精魂こめて介護して、失くした。
1周忌を過ぎてから、急速に呆けだした。
いまも寝てばかりで、下の世話もいる。

80才を超えた高齢者の認知症を、親身に治してくれる病院は、ないようだ。
嫁は父を何軒もの病院に連れていき、いろいろな薬をもらって、飲ませた。

医者の診断は、いずれも、「認知症ではない。脳の萎縮などのアルツハイマーの症状はない。老人性鬱の可能性が高い。鬱は、薬で必ず治る」であった。

やがて、父は、何度も何度も便所を往復したり、室内のあっちこっちでひっくりかえるようになった。
ひっくりかえれば、頭や顔面を打ち、病院へかつぎ込む。
だれかが必ずついていなくてはならなくなった。

症状が改善しない状態を告げると、薬の量や種類を変えてくれるようだが、「時間がかかっても、必ず治る」の一点張り。
また、診断を受けるたび、嫁は嫁で、老人性鬱になったのは、自分の愛情が足りないせいだろうか、自分の介護の方法が悪いのではないか、と自問自答しているようである。

そして、ついに、最後に連れて行っていった、認知症や躁うつ病の治療で評判の良い病院から突き放された。
「たしかに認知症ではなく、老人性鬱だけれど、どの薬も効かない。もうできることはありませんので、治療は終了します」

そして、現在。
昨日は、初めて、ヘルパーさんにデイサービスに連れて行ってもらった。
「料理がまずい」と父。
ヘルパーさんのノートには、「食事は完食」とある。

薬をいっさいやめたら、体調もよく、言うことが、しっかりしてきたのである。
病院へ連れていき始めてから、症状は悪化するばかりであったが、やめた途端、父は回復に向かっているようである。

 

とにかく、80才を超えたら、お医者さまの言うことは、あてにならない。

そう覚悟して、自分の父や母は、自分の頭でしっかり考えて、守ってやらないといけないようだ。

今日は、笑いどころか、救いのない話で申し訳ありません。

(写真は、アンティークの女児着物~蝶の柄がかわいいでしょ!