すこし気分が滅入っている時、最高に気分が癒やされる番組があるのをご存じだろうか?
そう、NHKBSの『世界ふれあい街歩き』である。
毎週火曜日の8時からの約1時間。昨夜はロンドンだった。
知っている人も多いだろうから、わざわざ書くこともないのだけど、ご存じない人のためにすこし紹介してみる。
タイトル通り、世界の街へ行き、カメラを担いでその街を散策した様子を番組にしたものだ。
街を歩いて移動するのだから、基本的に、とてものんびりした映像になる。
カメラやレポーターなどは一切出てこないから、大画面のテレビの前で眺めていると、まるで自分が実際にその街を歩いているかのような錯覚に陥る。
街の人とちょっとした会話を交わすのだが、現地で実際に行われた質問者の声は編集で消されているので、まるでカメラマン兼ナレーターが、その場で話を交わしているように見える(つまり、自分の隣に同行者がいて、その人が街の人と話してでもいるように見える)。
街で出会う人たちは有名人ではなく普通の人たちだ。まさに、僕らがその街へ旅したときと同じように。
1時間弱、そうやって、その街の散策をすることになるのだが、ほんとうにのんびりしたペースである。
1時間の間に、夕暮れが迫り、空の色が変わったりもして・・・
ふつう、テレビは退屈を殺すために、面白いもの、ワクワクドキドキするものを期待して見る。
だけど、『世界ふれあい街歩き』を見る時は、心のモードが違う。
ただ、見知らぬ海岸へ潮風に吹かれに行くような気分でテレビの前に座るのである。
疲れてるのかな?
歳かな?
いや、きっと、『世界ふれあい街歩き』をそんなモードで見るのを楽しみにしている人は多いはずだ。