アイディア欲しけりゃ、単純作業をするか森へ行け
基本的に僕は毎日ブログを書く派だ。すくなくともここ3年ぐらいは。
毎日書くことの良い点は何度か書いてきたけれど、僕の実感をまとめると、
1.行きつ戻りつではあるけれど、考えが深化する
2.書く練習になる
3.自分のことをより周囲やお客様に知ってもらうことができる
4.感謝の気持ちを伝えるツールとなる
たとえば、僕はラブラドールを飼っているのだけど、ラブラドールを飼うことの楽しさを何度か書いた。
最初に書いたのはこれ。
自分でもなかなか気に入ってた。
大型犬を飼うとことの喜びと悲しみ - ICHIROYAのブログ
そして、その1年半後に、また同じような記事を発作的に書いてしまった。
1回めのリスティクルの形式ではなく、キーとなるフレーズを繰り返すような書き方で書いた。たぶん、Mediumかなにかでそういう書き方のされた文章を読んで頭に残っていたのだろう。普通に書き始めて、3分の1ぐらい書いたところで、その書き方が良いかもと思いついて、こんな文章になった。
書いている内容は1年半前のものとほとんど同じだけど、僕自身もこちらの方が気に入っている。
読んでくださっている方の評価も拡散の度合いも前回と比べると桁違いだった。
ラブラドールレトリーバーを飼ってはいけない - ICHIROYAのブログ
新聞記者や職業的なライターの方々は毎日文章を書いている。
良い文章を書くためには、読んで読んで読みまくり、書いて書いて書きまくるしかないと言われるけれど、一般人が書いて書いて書きまくるのはなかなか難しい。
その点、ブログではそれを継続しやすいなと思っている。
しかも、こうして、自分の進歩を確認できたりするので、さらに励みになる。
ところで、毎日書いていると、もちろんネタに苦しむことになる。
僕の場合、ネタ探しはこんな手順だ。
1.巡回先のサイトを探す
2.Twitterでフォローしている人のうちブログ用にリスト化している人のTweetを読む
3.自分のブックマークを過去にさかのぼって見る
3.TwitterやMediumでフォローしている人たちの過去記事や、彼らが推薦している記事を探す
4.最近、自分の身に起きたことで心に響いたことがないか考える
5.好きな人、素晴らしいと思う知人のことで、まだ書いたことがない人はいないか考える
6.自分の過去の経験のうち、有益と思えるものでまだ書いていないものはないか考える
7.最近、自分の仕事などで便利になったり気づいたりしたことで、共有すれば役に立つことはないか考える
8.自分のボツ記事(下書きとして保存している)からあらたに使えそうなものがないか見る
それでなんとか、毎日のネタをみつけている。
しかし、どうしても文章にしたいネタを、いつまでたっても見つけられない時もある。
そんな時の奥の手のひとつに、ネタとしてはもうひとつだけど、とにかく書き始めるというのもある。
たとえば、この記事は出かける前に急いで書いた。あまり良い記事にはならないけど仕方がないなと思いながら、遺品整理を頼まれた時のことを書いた。4分の1ぐらいのところで時間切れとなり、ついに、3年近くに及んだ毎日更新も終わりだなと覚悟した。
しかし、娘に運転してもらえば、僕は車の中で続きが書けるじゃないかと思いついて、パソコンをもって車に乗り込んだ。
そうやって、最後の数行、運転中の娘の横顔を見て感じたことを書き足して、なんとか記事にすることにできた。
あとから考えると、この記事全体が、最後の数行で成り立っているのだが、それはこんな偶然からできたのだった。
ところで、ブログのネタを探すというのは、ほんとうにクリエィティブな行為だと思う。
そして、ネタ探しが楽になる方法ってないものか、と思うこともある。
僕がいままで思っていたことは
1. 時間的な制約がある時、クリエィティブなアイディアをひねり出すことができる
とくに用事のない最高の休日の最低のブログ~いかに制約が能力を磨くか - ICHIROYAのブログ
2.さっきの例のようにとにかく書き始めることで、クリエィティビティが活発に動き始める
というようなことだ。
そういうことは、どちらも頭の回転にターボをかけるようなやり方のように思う。
だけど、頭の回転の速度をいくら上げても、アイディアが出てこない時もある。どうもオーバーヒート気味になり、同じ所をぐるぐる回っているような状態になり、どうしようもなく行き詰まってしまうのだ。
そんなことを感じていたら、ちょっと面白い記事が目に止まった。
ひとつめは、The Science Behind How Boredom Benefits Creative Thought(クリエィティブな思考に役立つ退屈の科学)。
この記事によれば、「退屈する」ということは、クリエィティビティをアップするという。
たとえば、「乗り物を挙げよ」と質問されて、「車」と答えずに、「ラクダ!」と答えるようなクリエィティブな反応は、退屈している状態からの方が出やすい傾向にあるという。
もうひとつは、MediumにPaul Jarvis さんが書かれた記事で、彼がクリエィティブであるためにやっていることをこのように語っている。
ときどき、私は森の中でひとりで何時間か過ごします。
私がライティングやデザインの仕事を実り多いものにしているその方法を話すと、ひとびとはそれを直感に反する変な方法と思われるようです。
でも、頭の中にクリエィティブに必要なスペースをそうやって作っておけば、クリエィティブが必要な時に簡単に出てくるようになるのです。
このふたつの話に、なるほどなと思った。
つまり、クリエィティブのスパークを発生させるためには、バネのタメのようなものを作っておく必要があるに違いない。
タメ、Paulさんの言葉では、クリエィティブのためのスペースは、クリエィティブなアイディアの材料用となりそうなものを貪欲に経験するということではなく、意識的に「空ける」ことでできるもののようだ。
そのための時間の過ごし方は人によって、いろいろだろうけど、森に行くだけでなく、最初の実験にあるように、ひたすら単純作業をする、みたいなことでも良いようだ。
ふう~
そういえば最近、頭の中にスペースをつくるようなことを、ほとんどしていない。
そのせいか、今朝もネタがなくて困ったけど、ボツ記事とか過去記事とか、小ネタとか全部つなげて、なんとかしゅうりょう!
photo from Death to the Stock Photo