ICHIROYAのブログ

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知ってるようで実は知らなかったお客様の心のうち

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 きのう、着物業界の方とたまたま長い時間を一緒に過ごした。
 僕は着物業界に長くいるわけではないので(この業界で10年はペーペーである)、着物はこうあるべしという固定観念からは比較的自由でいるつもりだ。
 しかし、やはり人間は、お客様の声をよく聞いて判断しようと思っていても、認識がかたまっていく部分がある。
 長い話の中で、すでにある人たちには当然と思えることで、僕にとってははっとしたことをいくつか聞かせていただいた。
 
 ひとつ目。

「ポリエステルと絹で同じデザインの商品があり、値段が同じなら、ポリエステルを選ぶ」というお客様も、最近は多い 
 
 「値段が安ければ」ではない。「値段が同じでも」でもない。「値段が同じなら」である。そこには、「絹の方が、圧倒的に高価で品質も良いもの」という前提がない。絹であることの煩わしさ、手入れにお金がかかったり、保管に気をつかう必要があったり、子供が駆け寄ってきた汚れを心配してつい避けたくなったりして、行動が制限されたりすることを考えれば、トータルで見た場合「モノ」としての価値は、どちらが上とも言えないと思っているお客様が増えてきたということだ。

 ふたつ目。

「着物を買うと保管場所がいるのが嫌だ。だからレンタルする」

 「レンタルの方が安い」からというのが主たる理由ではなく、保管するのが煩わしいのでレンタルするという人が増えたというのだ。たしかに、最近では断捨離とか、モノを多く持たずにシンプルに生きることに皆の感心が向いていそうだ。着物の保管には、やはり和ダンスがいる。そうやってモノが増えていくことそのものが嫌という人も多いらしい。


 なるほど、お客様はどんどん変わっていかれるのだな、僕の知らない考え方のお客様も多くおられるのだな、と痛感した。
 ともかく、そんなことを感じながら、そういうことも教えてくださった方々と、今年の秋~冬に、面白いことをしましょう!という話になっている。
 頑張りたい!

 

photo by jay mantri