ICHIROYAのブログ

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「最近のワカモノは」と言う前に。20年前の若者と今の若者の違いの私的まとめ

僕は、歳の割には、「最近のワカモノは・・」と言わないほうだと思う。でも、たしかに、最近の若い子は、僕らの世代とはだいぶん違うなあ、と思うことは多い。
自分の子供たちや、周囲の若い子たちと付き合って、やっぱり、違和感を感じることはある。
で、いろんな情報に、バラバラに接していると、本当のところ、今の若い人と、僕らが若かったころと、どれほど違うのか、わからなくなる。
たとえば、結婚式などは激変していて、いまの若い人たちの結婚式に、仲人はおらず、「人前」結婚式などというものが一般的になっている。
そんなことを体験すると、「いまのワカモノたちは、昔とは、ぜんぜん違う人種なのだな」と思ってしまうのだけど、ネットなどで交流させてもらっている若い人たちの本音は、僕が若かったころと、本質的な点ではほとんど変わらないように感じる。

で、いつか整理しておこうと思った。
僕ら40代~50代が、20代だったころの若者と、現在20代の若者と、大きく違うところは、何なのか。
この20年で、とくに、この20年で、若者たちは、ほんとうに変わってしまったのか。

そのことで判断を間違えないための、私的なまとめを書いてみた。
それを整理しておいたら、ちょうど親や経営者たちが、自分の子供や従業員たちと接するときの役に立つのかもしれないし、と。

ネットで統計などを探しながら書き始めたのだが、案外、ここ20年に起きた変化を、20代に限って調べるとなると、データーが不足していることがわかった。
でも、なんとなく、僕の頭の中では、整理がついた気がする。

なお、数値に年度のカッコ書きのないものは、1990年(平成2年)から、2010年(平成22年)の変化である。


 大学進学率 24.6% → 50.9% (参考サイト)


この数字は、短大を含まないもの。短大を含むと 36.3%→56.8%となる。僕らの世代が大学を卒業してからも、大学進学率は着々と増えている。

 大学卒就職率 81.0% → 60.8% (参考サイト


僕らの世代は、バブルの真っただ中に就職した。一般的には、就職もラクだったはず。バブル崩壊が1991年、男女雇用機会均等法改正が1997年である。
不況が続き、大学卒の就職率は、こんなにも厳しくなっている。
景気だけでなく、上記のとおり、大卒が増えたのだから、さらに苦しいはず。

日本から海外へ留学したものの数
26,893人(1990年) → 66,833人(2008年)
 (参考サイト


一般的には、内向き志向とか言われているけど、僕らの世代より、ずっと多くの人たちが留学しているではないか!

20~24歳の平均年間給与 238.6万円 → 237.2万円
25~29歳の平均年間給与 275.8万円 → 293.0万円

参考サイト


収入が下がっているような気はするが、実は、給与の平均そのものは、あまり差がない。

25才~34才の男性非正規雇用率 3.2% → 13.2% (参考サイト) 


だけど、もちろん、非正規雇用の割合はどんどん増えている。
全年齢でも8.7%から18.2%に増えているが、若年層の伸びが突出している。


最近の若者は、我慢がないとか、すぐに転職をするとか言われているけど、本当だろうか。
20才台の転職率に関するデーターはみつけられなかったが、たしかに、転職率は緩やかに上昇しているようだ。
ただし、1990年~2005年までの、全世代の「正社員」の転職率に大きな変化はないことから、正社員になった若者が、僕らの世代より、簡単に辞める、ということはないようだ。

男性正社員(全世代)の転職率 3.0% → 3.5%  (参考サイト


もちろん、結婚は晩婚化している。
給与が変わりなくても、不安的な非正規雇用にとどめられれば、結婚に二の足を踏むだろうことは、容易に想像できる。

男性平均初婚年齢 28.4歳 → 30.5歳  
女性平均初婚年齢 25.9歳 → 28.8歳
 (参考サイト


ほかにも、若者の車離れなどの客観的なデーターを探したがみつからなかった。
探してみつけたものの、20代に特有の問題ではなく、全世代が変化しているものもあった。

たしかに、携帯電話やインターネットが一般的になり、いまの若者たちの生活は大きく変わった。
だけど、やっぱり、変わらないものがある。
つまり、みんな、僕らの世代と同じく、より良い生活、人生を目指して、精一杯がんばっているのだ。
世界を見据えて外に向かう意思は、僕らをはるかに凌駕している。
残念ながら、成長を止めてしまった社会が、それを受け止める力を失っているだけの話だ。

ブログの記事としては、まったく、エッジの効かない、ありきたりな話になって恐縮だけど、やっぱり僕らに、「最近のワカモノは」などと言う資格は、まったくないのだった。

 

*この20年という時代に何があったのかはこちらに簡潔にまとめられている 時代環境年表 (1990~2010年)