ICHIROYAのブログ

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もう上司なんていらない!(ソフトウェア開発会社の挑戦~ボス・レスな新しい組織)

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最近、ちょっと頑張っていることがある。
自分の会社は、15人の豆のような小さな会社で、リサイクルやアンティークを扱う小売業に過ぎないけれど、スタッフが自ら考えて、工夫を凝らし、もっとも能率的で高いレベルのサービスができるようなチームにしたいと思っている。
たとえば、最近、僕から喋る一方の朝会の時間を減らし、ふたつのチームそれぞれでミーティングをしてもらい、みんなが改善点を出し合う時間をつくった。
今のところうまくいっているようだ。
世界を変えるほどの貢献はできなくても、今いるスタッフたちにとって、もっとも素晴らしい会社にすることはできるかもしれない。
規模の拡大よりも、お客様の満足と、従業員の満足を追っていきたい。
その先に何があるのか、確かめてみたいと思っているのだ!(真面目過ぎて、恥ずかしい~~~)

そんなことを考えていたら、今朝、New York Magazineにこんな記事をみつけた。


The Boss Stops Here (ここに上司はいない)

 

時間の関係で、流し読みしたに過ぎないので、間違いや理解の不足している部分があるかもしれないので、興味のある人はぜひ原文にあたっていただきたいのだけど、要は、Menloというソフトウェアの会社が、ボスレス(管理職のいない)組織で、とても上手くいっている。売上も利益も伸びており、かつ、従業員の定着率も高いという。
その組織マネジメントの特徴を記事から拾うと、

*管理職はいない
*基本的にふたり一組でコーディングをおこない(1台のPCで)、それを最小単位として、チームは必要に応じて、組み替えられる(ペアも組み換えられる)
*採用も昇進もレイオフも解雇も、社員全体の話し合いで決める
*毎朝、全員出席のミーティングがあり、そこで、なんでも決める
*人それぞれに給与のランクが決められており、それがオフィスに貼りだされている
*オフィスには、重要機密の部屋とお客様との面談の部屋ぐらいしかなく、あとは、オープンになっている
*すべての情報はオープンになっており、共有されている
*個人の業績よりも、チームワーク、チームの成果を喜ぶ価値観が徹底されている

と、まあ、こんな感じらしい。
会社の規模はさほど大きくはなく、朝のミーティングに50数人が出席しており、2012年の収入(revenue)は、4百万ドル(4億円)とある。

この話だけを聞くと、昔なつかしい、日本の伝統的な経営に似ているようにも思えるが、経営者の姪が社員のミーティングで解雇された話も紹介されており、日本的な経営に、アメリカ的な厳しさを加味した経営のように思える。

なんでもオープンで、フラット、すべて話し合って決めるというのは、もちろん、迅速な意思決定ができないんじゃないか、スピードでライバルに遅れをとるんじゃないか、との心配はある。
だけど、トップの戦略がうまく社員たちに伝わっているのだろう。
いまのところ、順調に成長しているようだ。

ただし、Menloトップも、「このボスレス・マネジメントは、実験中であって、普通のマネジメントと同様に、大変な点はある」と認めている。
そして、働く社員たちも、生き生きと自主的に働いてはいるが、ストレスとまったく無縁というわけではないそうだ。
そのストレスを軽減するため、Walkiesという息抜きが発案されている。Waklieというのは、チームで町をウォーキングすることで、ストレス軽減にとても役立っているらしい。


ともかく、興味深い、まったく新しいマネジメント・スタイルではないか!
とくに、中小規模の会社のマネジメントのあり方を模索している人にとっては、とっても示唆に富む事例だと思う。

ちょっと、長くて、英文だけど、じっくりと読む価値のある記事だ。
連休中にどうぞ!

photo by mikecogh