スペインで開発された『笑った分だけ払えばよい料金システム』が凄い!
漫才とか吉本などのお笑い系を劇場に見に行くとする。
鉄板の芸人さんが出ていると、まあ、まったく笑えないということはないだろう。
でも、見知らぬ芸人さんが多く出ている場合などは、まったく笑えなくて入場料返せ!と言いたくなる場合もありそうだ。
じつは、最近、スペインで、『笑った分だけ払えばよい料金システム』というのものが開発された。それは、『PAY PER LAUGH』という。
エントランスではお金を払う必要はない。登録だけして座席の番号をもらう。
座席の前には、それぞれiPadのようなディスプレイとカメラがついていてる。
そのカメラは、あなたの顔をとらえており、リアルタイムで表情をおいかけ、笑ったのかどうか分析している。
さて、あなたは、「笑わなければ無料」となる料金システムに合意しているので、笑ってやるものかと思っている。
だけど、そもそも面白いものを見にきているので、心の中でだけ爆笑して一銭も払わないぞとココロに決めている。
が、やっぱり面白いものは面白い。
つい、吹き出してしまう。
システムは見逃さない。システムは、あなたの顔の口や目尻などの線の要素から、あなたは1回笑ったと判定しカウントする。
ちゃりん!
そう、1回笑ってしまうと、30ユーロセント(約41円)、あなたは出口で払わなくてはならない。
笑うもんか、顔には出すものかといくら頑張っていても、あなたの笑いはすべて時系列で分析されて計算される。
そして、漫才が終わって出口に自分の番号告げたら・・・
「たくさん笑って頂いてありがとうございます! 30ユーロセント計算では、本来29.1ユーロいただかなくてはなりませんが、上限が決められておりますので、24ユーロ(約3,310円)頂きます」
「まいったなあ、そんなに笑ってた?!いやあ、笑うもんかと思ったんだけどね。めちゃくちゃ面白かったんで、つい吹き出したよ。24ユーロ、納得だよ!」
この動画によれば・・・(動画、ぜひ、見てね)
2013年、スペイン政府は劇場の税金を8%から21%に上げる決定をした。そのため、観客数は30%もの落ち込みを記録し、チケットは平均2割値上げされた。
人々は、面白いかどうか見るまでわからない劇場へ足を運ばなくなり、面白いとわかっているアメリカの映画などにお金と時間を使うようになった。
そんな状況にこのThe Cyranos – McCann Worldgroupという会社が開発したのが、この『PAY PER LAUGH』で、バルセロナで8つのコメディ劇場のステージを持Teatreneuという会社でこのシステムが実施されたそうだ。
その効果は絶大で、チケットの平均販売単価が6ユーロ(約828円)上がった。また、スペインの主要メディアに取り上げられたこともあって、観客数は35%も増えた。
その成功を見て、ほかのコミック劇場でも導入されつつあるという。
この画期的なシステムは、世界最大級の規模で開催されている「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」の今年のイノベーション部門にノミネートされ、現在最終候補に残っている。(カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルのイノベーション部門の最終選考通過のリストはこちらにある)
なお、ウィナーの発表は6月21日(土)だ。スペインの話だし、現在は英語情報もほとんどないが、優勝すればあっという間に有名になるだろう。*1
これって、凄くない?
選考の結果がどうであれ、日本でも絶対流行りそうだよね!
動画にもあるように、『Pay Per Cry』~泣かなかったら無料、1回泣くたびに1000円の演劇とか、『Pay Per Wow』~うわっと驚いたら驚くたびに100円のサーカス公演とか、『Pay Per Sweat』~手に汗にじませたらその汗の量によって値段の上がるサスペンス映画の入場料とか、いくらでも妄想が広がるよね!
photo by Steve Jurvetson
*1:ここに書いたことは動画の情報をそのまま翻訳して転記しています。著名フェスティバルに応募されたものなので信頼性はあると思いますが、復数メディアで確認を取っていないので、その点はご容赦ください